こんにちは、10代を中心にキス動画を投稿できるSNSコミュニティが流行っているって、知っていましたか? うたこです。
アラサーになった私にはまぁまぁ恐ろしいサービスだな、と見えるのですが、これをただ単に「最近の若者はなんて恥知らずな! 破廉恥だわ!」と言うのであれば誰にでもできると思うのでなぜこういうものが流行るのかについて考えてみました。
こちらが話題のMixChannelです。TOPページをちらっと見るだけでも、普通の学生たちがなぜか全力で恋人への愛を語っていることが分かります。
芸能人の夫婦フォトでもない限り、こういった一般人の恋人同士や夫婦同士のラブラブしている写真や動画など、これまでの日本では目にすることの少ないものでした。
Facebookに結婚式などの写真が投稿されるようになり、「へぇ、この人たちが夫婦なんだ」というのを目にするようになる前は、きっと両親の部屋の片隅に飾っている「お母さん細いwwwwwお父さんわかーいwwww」と皆のからかいの種になった結婚式写真くらいしか、なかったはずなのです。
仮説
この10代のカップルアピールを、承認されていることへの承認欲求であると仮定します。自分には恋人がいて、愛されている。恋人に承認されてる自分を皆に承認してほしいという承認欲求が発生していると考えます。
恋人と結婚の歴史
私たちの親世代、今の50代以上の人たちは結婚することが当然でした。共働きという形も徐々に当たり前化してきていましたが、男が金を稼ぎ女が家を守るというのが当たり前だった時代でもあります。
この時代に「本当は働きたかったのに結婚して家に入らざるを得なかった」デキ女たちが立ち上がり、今の私たちの世代20代後半~40代くらいまでの世代には、自分の生き方や働き方は自分で決めていい。結婚しなくても仕事をきちんとやれば、女だって自立できる!! という考え方が強くなり、一部の「私ぁ仕事よりも専業主婦の方が向いてる気がする」という女たちに「つまりは、仕事ができないってことでしょ?」と劣等感を抱かせながら、自分たちも「とはいえずっと一人で働いているのも・・・」「子どもを産むのにはタイムリミットが・・・」「結局、男はできすぎる女は好きじゃないのよ・・・」なんて、問題を複雑化させる結果となりました。
さて、恋人もなくひたすらに働いたり、もはや恋人がいるのは面倒で嫌、一人の方が自由で結婚は墓場、と言っている世代を見ている今の中高生は、今度は再び専業主婦になりたい路線に戻っているというのですから面白いです。現役女子高生に、友達みんなで「将来は大きい家に住んで午前中のうちに家事終わらせてだらだらテレビ見るのが夢」って話してるって聞いた時は戦慄しました。
これを、簡単にまとめると
- 恋人や配偶者は当然居るもので、いないことを隠していた時代
- 恋人や配偶者に頼らないのがよいとされ、いないことを大っぴらにしていた時代
- 恋人や配偶者がいないことは残念なことだとされ、いることを公然と明かす時代
こんな風に遷移してきているように思います。
黒歴史よりも愛し愛された証拠?
さて、若い子たちがこういったことをしていると「黒歴史になるぞwwww」と言うのが、これまでの人生で大量に黒歴史を作ってきた私たちです。しかしながら、黒歴史になることよりも「今! 愛されていることの証拠!」の方が重要視されているように思えます。彼氏の誕生日を記念して愛のポエムをしたためた動画を全世界に向けて発信するなんて、酔っ払ってても中々できることではありませんよ! おそらく、今はこういうことをしないと「愛がない」と言う取られ方さえされるのではないでしょうか。ほら、バレンタインにチョコをあげたのにホワイトデーにお返しがないと「この人本当は私のこと好きじゃないのかしら?」と思ってしまうのと同じで。
カップルを公開することのある種のメリット
こういった投稿サイトの存在で、互いのカップルの組み合わせを把握しあっているというのはある意味メリットになっているようにも思えます。なぜなら、気楽に浮気できないからです。顔が割れているのですから、バレやすさは格段に上がっているはずです。のちに分かれる結末が訪れたとしても、別れにくさ自体も多少上がるような気がします。
ネット上に上がってはいますが、これには昔々の村社会のような雰囲気を感じます。どこどこの誰ちゃんと誰くんは付き合っている、最近別れた、なんていう情報が全体で共有されている。もちろん、恋愛や恋人を見つけることへの感度も高くなるでしょうし、この世代からはたくさん子供とか、産まれてきそうな気がします。恋人がいることが当然、いちゃついたりするのも当然、そしてそれを承認し合っている世代なのですから。
恋人や夫婦、家族の思い出を残すサービス
その他にも、いつものデートを素敵に切り取って撮影してくれるサービスなんかもあります。
これらを、そんな恥かしいこと! と取るか、将来照れながら誰かと一緒に眺めるか・・・。(多分、黒歴史も残るけど)
社会から人類に
社会を発展させていくためにがむしゃらにやってきた時代が終わり、物はあるけど何やら満たされない時代になり、一周回って「人類の繁栄」を考える時がやってきたのでしょうか。子どもが産まれないと、歴史のコマも進みません。種の保存には質で戦うよりも量で戦うのが一番だというのは、全ての生物がそう申しております。
今のこういったサービスの流行は、人間と人間が向き合ってペアになって子孫を残そうとする、そういう本能的なところに回帰しつつあることを表しているのではないでしょうか。
だから! 見てて恥ずかしいし兄弟がやってたらちょっと引いちゃうけど! 人類規模でみるとこういうのが流行って結果産まれてくる人間の数が増えればそれはそれでいいと思うんだよ。