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興味は尽きない 話題のミニマリストの違和感と本当の幸せについて考えてみた

こんにちは、物欲と断捨離のはざまで、うたこです。

「ミニマリスト」という生き物が話題だったのですが、聞いたことのない言葉だったので一体どういうことなのか調べてみました。そして、一体何がどう違和感があるのか考えてみました。

ミニマリストとは

必要のないものは持たずに、最小限のもので時間・空間を構成し、心の余裕を持って生きようとする人々のこと。

こういった本も出ているみたいです。断捨離ブームから、生きていくのにそんなに沢山のものって必要ないんじゃない? もっと自由に、身軽に生きよう! という流れになったようです。

欲しくなったらキリがない

戦後までさかのぼりますけど、物がない! もっと沢山のものを作って、生活をどんどん豊かにしていこう! という段階から、今はいくらでもものがあり、手に入れようとしたらキリがない所まで来ました。

戦後なら「三種の神器」というのがあって、洗濯機、白黒テレビ、冷蔵庫、まずはこれを持つことが目標!! みたいになってましたね。今は、家電にしても必須っぽいものからエスプレッソマシーン、ブレンダー、すごいすりおろし機などまで広げると、置くところもありません。全部ほしいと言い出すとキリがないです。

キリがないっていうのがポイントですね。

人間の物欲

次に、そんなものの溢れる時代において人間の物欲はどうなるのかを考えてみます。基本的に、物欲とは欲望ですので、抑えなければ垂れ流しになります。

本当は、本当は皆、全部欲しいんです。時間もお金も承認される場所も、市場に売られているもの全ても、それをおける大きな大きな家も、そしてその家でのんびりできる余裕も。でも、そんなことは現実的に不可能であるということを知っている。では、人間は不可能に直面した時にどう考えるのか。

精神に働く防衛機制

人間には防衛機制が働くようになっています。求めるものと現実との差異が発生した時、それをそのまま受け取ると心はストレスを受けます。そんな心を救う為に、自我を再適応させようとする働きが発生します。これはジークムント・フロイトのヒステリー研究から考えられたものです。色々な防衛機制がありますが、ここでは該当する合理化について述べます。

合理化とは

合理化とは、満たされなかった欲求に対して理論化して考えることにより自分を納得させること。イソップ童話の「すっぱい葡萄」が例として有名ですが、手に入れたかったものを手に入れられなかったので、「あれはきっと美味しくない」として自分を納得させたというものです。

ミニマリストにおける合理化

ものは沢山ある、でもそれを手に入れたり置いておく力が自分にはない、よって「そんなに沢山のものは必要ない」「ものがなくても幸せに生きていける」「むしろ、ものがない方が自由な生き方だ」と合理化を進めていった結果がミニマリストなのだと思います。

ミニマリストが幸せそうに生きる理由

人間は何事においても、自分の考えを実行できている達成感があると心が満たされるものです。これは自己実現ができている状態といえます。

自己実現に関してはマズローの欲求5段階説の一番上の段階ですね。これはWikiより引用。

自己実現の欲求 (Self-actualization)以上4つの欲求がすべて満たされたとしても、人は自分に適していることをしていない限り、すぐに新しい不満が生じて落ち着かなくなってくる。自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化して自分がなりえるものにならなければならないという欲求。すべての行動の動機が、この欲求に帰結されるようになる。これら5つの欲求全てを満たした「自己実現者」には、以下の15の特徴が見られる。

  1. 現実をより有効に知覚し、より快適な関係を保つ
  2. 自己、他者、自然に対する受容
  3. 自発性、単純さ、自然さ
  4. 課題中心的
  5. プライバシーの欲求からの超越
  6. 文化と環境からの独立、能動的人間、自律性
  7. 認識が絶えず新鮮である
  8. 至高なものに触れる神秘的体験がある
  9. 共同社会感情
  10. 対人関係において心が広くて深い
  11. 民主主義的な性格構造
  12. 手段と目的、善悪の判断の区別
  13. 哲学的で悪意のないユーモアセンス
  14. 創造
  15. 文化に組み込まれることに対する抵抗、文化の超越
 

 

 ものが沢山あるのにそれを手に入れられない欲求不満状態から、それを合理化して「必要ない」と判断し、それにそって自らの生活を整えることで自己実現が叶えられている状態まで、しっかり進んでいくことができているわけですね。

だから、ミニマリストの人の心は満たされている。

まぁ、その自分の価値観を揺るがすような出来事に再び出会うとしたらどうなるか分かりませんが。

ミニマリストだからすごい訳ではない

sakenominimal.hatenablog.com

この記事が話題になってて、そしてそれに対してこんな記事が出ていて

suzukidesu23.hateblo.jp

それで気になって調べてみたわけなんですけど、ものを持っている量が少ないからすごいのではなくて、自分の現状と力量を推し量った上で、合理化して自分の生きやすい方法を見つけ出し、それを叶えられているということがすごい。自己実現の一つの形を作り上げられているから、すごい。

何かのスタイルが流行すると、本質的ではないものが出てきてしまうのも仕方のないことですし、模倣から始まる何かもあるだろうからいいとは思いますが「こんなに物持っててどうするのさ?」「必要ないよ! 身軽に生きようよ!」と主張することには特に価値がないということと、どのような形であれ本当の自己実現の域に到達することができれば幸せだよね、ということだけ述べておこうと思います。

おしまい。