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この世界の秘密を見つけ出すために、どんなことでもやってみて、いろんなことを考えます。

古き良きミュージカル『LA LA LAND(ララランド)』

こんにちは、LA LA LAND(ララランド)観てきました、うたこです。

アカデミー賞では"作品賞じゃなかったハプニング"はありましたが、アカデミー賞監督賞、主演女優賞、作曲賞、主題歌賞、撮影賞、美術賞と最多6部門を受賞!! (最多って書いてあるんだけど、今年でって意味なのかしら)SNSでも観に行った感想があふれています。私としてはもうめちゃめちゃ良かったという感想なのですが、世の中には必ず賛否両論が発生するもの。それもまた面白いところですね。私が良かった! と思ったポイントをまとめておこうと思います。ネタバレするかもしれないので観ていない人は見ないように気をつけてください。

これはミュージカル映画ではない! 映像化されたミュージカルだ!

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私はミュージカルもミュージカル映画も好きですが、これはミュージカル映画ではないです。「映像化されたミュージカル」という表現がふさわしい! 舞台で観るミュージカルをめちゃくちゃ上手に映像化したもの、だと思いました。

強引なミュージカルの世界への導き

まず、始まった直後の1曲目で日常世界からミュージカルの世界へと、思いっきり引き込まれていきました。インド映画のような賑やかでエネルギッシュなミュージカルシーン、私も若干面食らいました。まじかよここまでやるのかよwwと。ただ、ミュージカルの世界はやはり独特です。普段過ごしていて急に歌ったり踊ったりすることってないです。私は現実もそういう世界になればいいのになと願っているんですけどね。そんな不思議な世界へと、強引とも取れるような引き込み方で、ミュージカルを見慣れていない人もぐぐっとミュージカルの世界に入ることができ、後半のストーリーを自然に受け取れるようになっていたのではないかと思います。

この作品では激しいミュージカルシーンは冒頭の渋滞のシーン、女優の卵たちらしきシェアハウスからパーティシーンまででほぼ終了しており、ミュージカルに対する入口はでかくインパクトを強めておいて、後のストーリー部分に入り込みやすくしているのだと思います。

ミュージカルの舞台を見ているかのような非現実性

カメラワークが手動ですごいという話がありますが、目線の移り変わりがまるで舞台でミュージカルを観ている時のようでした。縦横無尽に舞台を動き回る役者さんを目で追う時の動きや、舞台転換の雰囲気がまさか映像で再現されることがあるなんて!! さてはこの監督、ミュージカルがめちゃくちゃ好きだな…? しかも、もしかしたら、私と同じように作品や役者ではなくミュージカルという概念、世界そのものを好きなタイプの人なのでは?! と、思いました。

LALALANDが消した現実

ミュージカルはそもそも「現実的でない」ものです。リアリティを追求するようなものではありません。日常では歌ったり踊ったりしませんからね! 

そもそもミュージカルは、オペラから派生した大衆向けのショーです。わいわいがやがや、あまり考え事をせずに観るタイプのエンターテインメントで、ミュージカルのエンディングはハッピーエンドと決まっています。(例外作品も多数あるけど)昔ながらのミュージカルは、華やかで楽しく最後には幸せな気持ちになれるショーなのです。

まさしく、LALALANDはミュージカルでした。華やかな色の配置、くるくると移り変わる舞台、舞台で上演されている姿が目に浮かぶようなミュージカル映画は今まではなかったと思います。

映画ではなく、あくまでもミュージカル。これはミュージカルという概念を愛する私には最高の作品でした。(トート閣下という死の概念があるのだから、ミュージカルという概念を愛すこともできるはずです。)

最高かよと思ったシーン

  • 夜景を台無しにしてるとこ
  • 「ブーーーーーーーーーーーー」
  • SUMMERの二人の楽しそうなデートシーン
  • プラネタリウム
  • サプライズディナーと喧嘩
  • バンドの撮影で唇かまされてるとこ
  • 「図書館の前」
  • エピローグ

あああああああ書ききれないしなんか切なさで涙が出そうだ!!!! そこかしこに私の大好きなミュージカルらしさがありました。最後はもう本当にやばかった。最後。

ミュージカルの受け取り方は千差万別、むしろ受け取り手の自由さにこそ、ミュージカルの魅力はあります。どのシーンで何を思ったのかということは、他人の話を聞く必要はありません。今、私は何を思ったのか? という自分との対話をぜひ楽しんでください。

ミュージカルの回帰と斬新さ

作中でも、セブは自分の好きな昔ながらのジャズと今の人気のなさ、人気を得るためにしなければならないことの間で葛藤しています。古き良きものを分かってもらえないはがゆさ、そのやるせなさというか、世の中との乖離のようなものをLALALAND自体も表しているように思いました。好きなものを分かってもらえない、これはオタク気質な人には一度は経験があるのではないでしょうか。

私も、ミュージカル好き! っていうと「え〜、あれ、急に歌ったり踊ったりするから入り込めないんだよね」「違和感があって苦手」と言われます。そう言われるたびにミュージカルを愛する私は思いました。「あの非現実性と華やかさ、突然歌うところがいいところなんじゃないの?!」

昔のように、今一度ミュージカルを大衆に受け入れてもらうにはどうしたらいいのだろうか? セブも「昔のように、今一度ジャズを大衆に受け入れてもらうにはどうしたらいいのだろうか?」と考えていました。「昔のもの」で大衆が見向きもしなくなってしまったものにもう一度目を向けさせる、これは強引にやっても成功しません。難しすぎることだと思います。

でも! LALALANDはやってのけた!!! 古き良きミュージカルを「今」と絶妙に融合させて、ミュージカルなんて観ない人たちを引っ張り込んで絶賛させたのです。すげぇ! ありがとう! ミュージカル好きとしてお礼を言いたい!!! そしてこの流れで4月には美女と野獣も来る! もっと盛り上がれ! ミュージカルよ!!!! 

夢と現実の隙間を埋める

LALALANDには、「夢」があり、「現実」がありました。その隙間を埋める為に一体どうすればいいのか? 作中の主人公や監督がやったのは、その隙間を埋めるということだったのではないでしょうか。

沢山の人がみて、好意的に思ったり違和感を覚えたり、こんなの違うと思ったり、最高かよ! と思ったり。そういう色んな感情を喚起させることのできる素晴らしい作品でした。ミュージカルはもっと流行ってしかるべきだと思う。ていうか日常生活でも歌ったり踊ったり、しちゃえばいいのにな。そういう、ミュージカルをもう一度! みたいな意味でいうとLALALANDにはこれからもずーっと愛されるミュージカルであって欲しいなと思います。

ここまで書いて、他のレビューとかも見てると作品の内容にも触れたくなってきた…。それはまた、別の記事で。