レストランで食事を終えた後、路面電車のLützowgasse駅からウィーン西駅まで、エリザベートの像に会いにきました。
ここからは地下鉄Uバーンに乗ってSTEPHANSPLATZ駅に向かいます。
シュテファン寺院
STEPHANSPLATZ駅からすぐのシュテファン寺院にやってきました。旧市街の中心にそびえる、街の象徴的存在です。
1147年にロマネスク教会として創建し、14世紀にはルドルフ4世の命でゴシック様式の大教会に改装されました。
右側に高くそびえる南塔は全長136.44mあり、72m部分が展望台になっています。
地元の人からは「シュテッフル」の愛称で呼ばれているそう。
寺院内部にはカタコンベや展望塔などがあり、見所満載です。基本無料で入れますが、一部施設は有料です。
カタコンベにはハプスブルク家の歴代君主の心臓以外の内臓が入った56の壺や、ペストで犠牲になった約2,000人の骨が納められています。カタコンベはガイドツアーでのみ見学可能です。
私たちは朝から歩き回って疲れていたので、内部だけみて次の場所に向かいました。心臓以外の内臓が入った壺……偉いと、そんな風に保存されてしまうのですね。
カプツィーナ教会
カプツィーナ教会にやってきました。カプツィン派修道会の教会として1632年に創建された教会です。現在は、ハプスブルク家一族が眠る納骨所となっています。
この白い看板とリボンは、ウィーン市観光局の定めた歴史的意義のある観光物件の目印です。
この教会の歴史的意義はそれはそれは大きいでしょう……
STEPHANSPLATZ駅から徒歩5分、納骨堂は10〜18時まで入れます。一人5.50ユーロです。
地下にある納骨堂には、皇帝マティアス夫妻以降の皇帝12人と、皇妃19人を含む一族150人の遺体が安置されています。
また、一族以外ではマリア・テレジアの教育係であったフックス伯爵夫人も埋葬されています。
棺は人によって全く違う様子で、質素な棺もあれば細かい彫刻の施されているものまで様々です。
ハプスブルク家の紋章である双頭の鷲が彫刻されている棺もありました。
立体になると、なお迫力があります。
これはマリア・テレジアと夫フランツ・シュテファン・フォン・ロートリンゲンの合同棺です。棺の上部には、見つめ合う二人のレリーフが施されています。
彫刻家バルタザール・フェルディナント・モルの代表作で、安置されている棺の中でもひときわ豪華なものです。
上を見上げると、天使たちが二人を天国へ導いて行ったかのような風景が広がっています。
どんな人間も、頑張って生きて、そして死ぬんだな……と。
1654年から1878年までに世を去ったハプスブルク家の人々の心臓は、アウグスティーナ教会の心臓保管室に安置されています。
この場所への納棺は今も続いていて、1989年にはオーストリア最後の皇后ツィタ皇妃の棺が納められました。
2011年7月16日には、かつての皇太子であり政治家として活動したオットー・ハプスブルクが、レギーナ夫人とともに、ここに永眠の地を得ています。
マキシミリアン皇帝の棺もありました。
こちらは、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の棺です。1916年に納棺されました。
自殺してしまったルドルフ皇太子の棺と、
暗殺されてしまった妻、エリザベートの棺が並んでいます。
今も新しいお花が添えられていて、エリザベートの人気を垣間見ることができます。生きている間に家族で幸せを得ることはできなかった3人ですが、せめて棺の中ではゆっくりと眠って欲しいですね。
ミュージカル「エリザベート」で観た人々が、本当に生きていて、そして死んでいて、そのお墓まいりができるなんて思ってもみませんでした。
納骨堂の中はひんやりとして、そして静かで、いろんなことに思いを巡らせることができると思います。この空気は現地でしか、絶対に味わえません。
ぜひ訪れてみて欲しいです。