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この世界の秘密を見つけ出すために、どんなことでもやってみて、いろんなことを考えます。

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老舗温泉宿三河屋で「笑ってはいけない牛しゃぶ懐石」

こんにちは、箱根旅行中のうたこです。

今回の箱根旅行のお宿は、こちらの老舗温泉宿、三河屋です!!! THE温泉宿といったたたずまいで、梅の花が咲いていました。桜の季節には部屋からも満開の桜が見られそうでした。

老舗温泉宿三河屋@箱根

温泉宿でのゆったりくつろげるひととき……日々につかれたアラサーたちはここに来ることを楽しみにしていました。

ところがこの旅館には、とある秘密があったのです。

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チェックインすると、中居さんがお部屋の案内までの間お茶菓子を出してくれたり、おもてなしに老舗温泉宿感を感じていました。

お部屋にご案内します、と現れたのは20歳前後の若い女の子。言葉は丁寧なのですが、どうも案内が下手……? 2種類の大浴場があるのですが、それぞれの違いや良さなんかがいまいちよく分かりません。日の浅いアルバイトなのかしら……。

 

そう、この中居さんが、この旅館の秘密だったのです。

スタートっ

中居さんに案内されつつ、移動するためにエレベーターに乗り込むと、私たちでいっぱい。どうみても中居さんは乗り込めない。「どうするんですか?」と聞くと、「大丈夫です、走ります!」と宣言し、エレベーターのドアが閉まった瞬間「…スタートっ」の声。

いや、競争なの?! これから階段を駆け下りる自分への鼓舞なの?! 

クローゼット

無事に階段を駆け下りてきた中居さんと合流し、部屋の案内をしてもらうことに。旅館に到着したときによくあるあの一連の流れですね。

中居さんはたどたどしく説明を進めていきます。クローゼット? というか、あの上着とかしまえて浴衣とか入ってるところにすすすと歩みを進め、クローゼットを開けて一言

 

「こちら、クローゼットです。」

 

見ればわかる!!!!! 

 

それよりも「上着はこちらにおしまいください、浴衣はこちらに4着ご用意しております。サイズの変更が必要な場合にはフロントまでお申し付けください。また、金庫がございますので貴重品等はこちらで保管ください。」とかそういう説明が必要なんじゃないのか! 

 

その後クローゼットをぱたんとしめ、何かご質問はございますでしょうか? 

 

質問したかったけど。

笑ってはいけない牛しゃぶ懐石

私たちはお風呂を済ませ、本日一番のお楽しみである牛しゃぶ懐石コースを食べに別室へとやってきた。どうやらいいコースなので他の宿泊客とは部屋も違うようである。

なんという贅沢!! と思っていると、どうやら給仕も先ほどの中居さんが担当になるようだった。まぁ、料理は旅館のかなめな訳だし、きちんとやってくれるだろうと思っていた。このときは。

食前酒のゆずの……? 

まず運ばれてきたのは食前酒。中居さんはグラスを置きながらこう言った。

「食前酒のゆずの……?」

 

ゆずの、なんだ? 

助けてあげようとメニューを見るも、食前酒については書いていない。悩む中居さん。

「ゆずの、ゆずの……ゆず酒です!」

 

結局ゆず酒なんかーい! 

下手に「の」を付けたから混乱したんだね。

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おいてけぼりのホタルイカ

続いて前菜の盛り合わせ。今度は先ほどの中居さんではなく、若い男の子だった。

全員の前に盛り合わせを置いていくが、どうも手つきがたどたどしい。お皿が重いのか……? と心配していると、がちゃーんと落としてしまった。

「すみません! すぐお取替えしますので!」

とお皿は下げたものの、テーブルに残されたままのホタルイカ。物悲しい。

(写真はきれいに置いてもらえた私の前菜)

ちなみに、新たに出てきた前菜のホタルイカは、からしが入りまくっていて非常に辛かったらしい。

常にパニック状態の給仕の中居さんたちは、この先もあまり料理の説明をしてくれないのだが、この前菜も食べてみるまで何なのかはよく分からなかった。自分の味覚との闘いが、いま、始まる。

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ズズズズズズズズ

続いてのお料理はふぐのから揚げとサラダ(だったと思うんだけど給仕の方が一切料理の説明をしてくれないのであまりよくわからない!w)で、かなり大きめの長いお皿に乗っていた。

きっと、先ほど前菜をひっくり返したことを気にしているのだろう。だいぶ早い時点でテーブルに置き、その先はズズズズズズズと移動させることで落下を防いでいた。

 

結構、嫌な音がした。

 

給仕はやばいけど、料理はめちゃくちゃ美味しいのでこのあたりから私たちのテンションもおかしくなってくる。

 

ちなみに写真右下に移っている渦巻き状のものは、こごみという春の野草なんだそうだが、中居さんはこの野草に関してだけは堂々と「こごみです!」と答えていた。知識の偏り方、どうなってんだ!w 

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お刺身です。

次は、おそらくは地魚のお造りである。再び女の子の中居さんにバトンタッチ。彼女はこのお皿を置きながらこう言った。

「こちら……………お刺身です。」

 

そうだなぁこれはどうみてもお刺身だなぁ!!!!! 

どれがなんの魚なのかはよく分かりませんでした。

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お肉です。

そして、きたー! コースのメイン、牛しゃぶです!!!! 

中居「こちら、お肉です。」

 

だからぁぁぁ一体何のお肉なのおおおおおおいいお肉なんでしょうこれ!! でないとこんな値段しないよね! どこの、なんの、牛肉なのおおおおおお!!!!! 

 

見たことのない野草もたくさんあったし、食べるとめちゃくちゃ美味しかったんですが本当にどれが何だかさっぱり分かりませんでした。

鍋の準備にどれくらい待って、どれから火を通して、どうやって食べたら美味しいのか、この牛肉はいいやつだからさっとくぐらせるだけでいいのか、そういうことも全部分かりません!!!! 

でも、圧倒的に美味しい!!!! もう! なんなの! 料理人のスキル割り振りやりすぎたせいで中居さんのスキルが0になっちゃってるよ!!! 

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牛乳と豆乳の鍋

こちらは中居さんによると「牛乳と豆乳のだし」なんだそうですが、もうここまできたら何も信じられません。

牛乳と豆乳なのに、一切まくが張ることもない。もう本当に、よく分からない。

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なのに牛しゃぶは圧倒的に美味い!!! 野草もレタスもめちゃくちゃ新鮮で、さっとくぐらせて食べると、野菜であるにも関わらず柔らかさとあふれるジューシーさ!! 

お肉はしっかりとサシが入っているのに、全然あぶらっぽくない。さらさらと上質なあぶら。とろけていく感覚がたまりませんでした。

でもさ、ほんと、お願いだから料理のこと教えてよ!!! 

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しめのうどん

しめのうどんは何故かお肉と一緒に登場したため、若干乾燥していました。そりゃお肉は味わってゆっくり食べてますからね。

そして、このうどんもどれくらい温めたらいいのかさっぱり分からない。さすがに聞いたほうがいいと思って聞いてみたら

「お好みで大丈夫ですよ!!!」

 

違うねん、お好みもなにもどの状態まで持っていけば食べれるかこっちはわからへんねん!!!w すでに茹でてあるなら、「もう茹でてあるので温める程度で大丈夫ですよ。」って言わなあかんやろ?!?! 

 

でもこれがまたごまどれに絡めて食べたらびびるほど美味いんすわ……。

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お魚です。

はい、もう慣れました。

これはあんかけになっていて、ふわりとほどける白身魚が最高に美味しかったです。

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お寿司です。

おーけい、そうだ、これは寿司だ。

どれが何の魚かはさっぱり分からなかったが、これだけは言える。美味いとな。

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デザートのムースです。

ブルーベリー? いや、いちご? なんらかのベリー系のムースの味でした。

料理の説明があまりにもないので、私たちは味覚を最大限に鋭くさせて、味についてしっかり考えなければならなかったのです。

人間の味覚がいかにあいまいで、情報に頼ってものを食べているということが明らかになった日でした。

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番外編

そのほかにも食事中には色々な出来事がありました。

  • 流れているジブリオルゴールのBGMはCDなので途中で途切れるため、人力で再生される。
  • お手洗いの場所を聞いたら浴場を案内される。
  • 後ろで早くビール飲みたいっていってる人がいる。

一級品の箱にとんでもないソフトウェアだ

外観は趣のある老舗温泉宿、料理はまじで一級品、だって、説明が足りなくても味覚だけで美味いって思えるレベルなんだもの! 

でも、でも、私たち、これがどういうお肉なのかとか、春にはこのあたりでこんな野草が取れて、こうすると美味しいんだとか、そういうお話を聞くことも含めて旅行だと思ってるんだぁ……。

どじっこの中居さんたちも、悪い子じゃない。でも、もっと、がんばれ!!!w

この後部屋に戻って、様々なエピソードを思い出しながら大爆笑しました。楽しい時間をありがとう。つかの間の休息ののち、私たちは思い出します。

 

「明日の朝ごはん、大丈夫かなぁ……」

 

朝ごはんにつづくっ!