仕事を成功させるためには人の心を掴み続けること。
新しいこと、楽しいこと、今までにないことについて考えるのはとてもワクワクすることです。そんなことが実行できたらすごく楽しいだろうな〜って多分ほとんどの人はそう思っていると思います。
でも、実行するとなると話は別。
- 失敗するんじゃないか。
- 前例がないということは何か問題点があるんじゃないか。
- 普段の業務にプラスされるのが負担だ。
そうして、一番初めにワクワクしながら話したことは不安にすっかり塗り替えられてしまって、
- どういう結果が出るのかわからないと動けない。
- そこまで時間が割けない。
- 失敗に備えて傷を小さくするため労力をかけなくなる。
守りの姿勢を取り始めます。
初めてやることなんだから、結果も何も予測の範囲を出ることはなく、初めてやることだから時間もそれなりにかかるし、労力もかかる。そういう面倒臭い前準備を一つずつ潰していくことで、新しい面白い楽しいものは生まれてきます。
楽しそうだから! という理由だけで、前が見えない状態で全力疾走できる人って中々いないんだなということを初めて知りました。真っ暗闇の中を何時間走れば光が見えるのかわからず、何にぶつかってコケるか分からない、確かにごく普通の感覚なら避けたいでしょう。
でも、面白いことやりたいって心の底ではそう思ってるのに、もったいないな!
そこで、全力疾走できないタイプの人に「挑戦しようぜ」「やってみないと分からないだろ?」というのは簡単なのですが、それではうまくいかないということにも気付きました。ここで頑張るべきなのは、真っ暗闇での全力疾走ができる人の方なのです。
途中で失速する人たちは、不安を抱えています。
- 失敗したらどうするの?
- 誰か助けてくれるの?
- こんなに手間暇かけてダメだったら…
全力疾走する人たちは、何も考えていません。とにかく突き進めー! とだけ思っています。なぜか自信満々なので、成し遂げられる気でいます。できないなんてことは考えていないのです。
そうして二つのタイプの人たちは、どんどん気持ちに差が生まれて、一緒に成し遂げようとすることもガタガタに崩れていってしまう。
全力疾走タイプの人は、一緒に走っている人の速度が落ち始める前に、常に走り続けるための声かけをする必要があるのです。
- この取り組みは評価されている。
- これが成し遂げられればこんなに楽しい世界が待っている。
- 皆の今の働きは本当に素晴らしい。
- 未来は見えないところから作られるものだから、不安は当然。
- あとはこれだけやれば大丈夫、簡単簡単。
このまま走って大丈夫? と思う前に、走り続けて良いんだということを伝え続けなければならないのです。プロジェクトの進行表を事前に作っておくことや、今どこの地点にいるのか、進捗状況が順調であることがわかるようにしておくことも、大切です。
気持ちが離れてしまう前に、気持ちを盛り上げ続けること。やったことのないことに挑戦することを楽しませること、負担を刺激に変えること、面白いね!って言い続けること。ネバーランドやティンカーベルと同じで、存在を信じる人がいないと夢なんてものは実現できないんです。
一度一緒に走りきることができれば、「できた!」という達成感でそれまで不安だった人たちも次に向かって動き出すことができるでしょう。
全力疾走ができる人は、こうした不安になる人や失速する人の気持ちが分からないことが多いです。だから、せっかく生まれかけた楽しくて面白くて新しい仕事は、途中で死に絶えてしまう。
仕事を成し遂げることって、人の心を掴み続けることなんだな、と思ったのです。