Try Something New

この世界の秘密を見つけ出すために、どんなことでもやってみて、いろんなことを考えます。

“TRY

映画に学ぶ、理想の上司。

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こんにちは。うたこの夫です。

昇進について考えました。

昇進すると、誰かの上司になるのです。

すばらしい上司になりたいです。

理想の上司像を固めて、来たるべき昇進に備えるのです。

 

 

 

 

理想の上司!

私には高校生の頃から、理想とする上司のイメージがありました。

自分がなんの仕事をするかを決める前から、もっと言えば、文系理系の選択をする前からです。

 

それは、私が見て衝撃を受けた映画の登場人物です。

ご紹介します。

私の理想の上司は

 

 

 

 

 

 

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ウィリアム・”ビル”・キルゴア中佐です。

 

 

映画「地獄の黙示録」に登場します。

キルゴア中佐は、ストーリー展開にはあまり関係ありません。

強いて言えば、主人公一同が進めなくて困っているところを手伝った、くらいでしょうか。



キルゴア中佐は、素晴らしい上司です。

なぜそう言えるのか、シーンを追いながら理由を説明します。

 

キルゴア中佐の登場

主人公、ウィラードらが哨戒艇で川を遡っていると、岸辺の村が燃えているのを発見します。

水陸両用車やヘリコプターが多数行き来するところから、アメリカ陸軍が攻撃したことが分かります。

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キルゴア中佐はこの襲撃に加わった、アメリカ陸軍の航空騎兵隊の指揮官です。

特別なマーキングのUH-1から降りてきた、テンガロンハットのおじさんがキルゴア中佐です。

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①冗談が面白い

“Bomb that tree line about 100 yards back !  Give me some room to breathe !! ”

向こうの林を100ヤード焼き払え! 苦しくて息ができん!

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キルゴア中佐の最初のセリフです。

本当に息苦しくて焼き払わせるわけではないと思います。

たぶん、敵が潜んでいるかもしれないとかの理由があるんだと思います。

仕事上重要な指示も、一言ジョークを添えるだけで、明るく楽しい雰囲気になりますね。



②成果を検証する

“All right, let’s see what we have.  Two of spades, Three of spades. Four of diamonds, six of clubs.”

“There isn’t one worth a jack in the whole bunch.”

「よし、カードを配るぞ。 スペードの2、スペードの3、ダイヤの4、クラブの6。」

「ジャックに値するやつはいないようだな。」

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先程のシーンの続きです。

襲撃した村に転がる敵の死体に、特製のトランプを配っていきます。

敵に誰がやったのかを知らしめるための「死のカード」と呼ばれています。

キルゴア中佐はカードを配りながら、倒した敵への評価をしています。

仕事は、やったら終わりではなく、その成果を検証して次に繋げることが大事なのですね。

 

 

③敵(ライバル)に敬意を払う

カードをある程度配ると、道端に大けがを負って倒れている敵兵を見つけました。

敵兵は、鍋の蓋で腹を押さえながら「水が欲しい」と言っています。

通訳の兵士は

「田んぼの水を飲めばいいんだ」

と言ったところ、キルゴア中佐は激怒して、通訳の兵士を突き飛ばします。

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“Any man brave enough to fight with his guts strapped on him can drink from my canteen anyday.”

「はらわたを抑えてでも戦う勇敢な奴には、俺の水筒の水を飲ませてやれ」

 

 

自らの使命のために一所懸命に取り組む姿は、立派なものです。

たとえ敵であろうとも賛美できるのは、広い心というほかありません。

そして、誰であってもよいところを見つけて評価するのは、上司・管理職にとって大事な役割ですね。

キルゴア中佐は、心が広く公正・公平に評価する優秀な上司です。




④楽しみながら仕事をする

水筒をとって敵兵に水を飲ませてやろうとすると、部下が話しかけます。

なんと、有名なサーファーが(兵士として)来ているとのこと。

中佐は敵兵に水をやるのを忘れ、その兵士のもとに歩み寄ります。

 

“Lance Johnson, the surfer ?”

「サーファーのランス・ジョンソンか?」

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キルゴア中佐は、仕事の中にあっても趣味のことを忘れません。

仕事の中に、小さな楽しみを含ませていると言えます。

仕事自体が楽しいことも大事ですが、それでは仕事が行き詰ったときに苦しくなってしまいます。

仕事とは別に、仕事の中で楽しめる趣味を持っていれば、たとえ仕事が苦しくなっても、心の支えは残ります。

仕事を楽しみながらどんな時も倒れない、上司の鑑です。

(敵兵は、水を飲めずに……と思いますが、些細な問題でしょう。)



⑤部下に優しい

ベースキャンプに戻ったキルゴア中佐の部隊は、捕まえた牛をさばいてビーチパーティを開きます。

部下にビールやTボーンステーキを振る舞い、労をねぎらいます。

 

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ギターをひきながら笑顔を見せるキルゴア中佐。

戦地にありながらも、アットホームな雰囲気です。

アットホームであることは、近頃の人は嫌厭するそうですので、賛否あると思います。

しかし、兵士の表情や話から、みんなキルゴア中佐を尊敬している様子が分かります。

それは、キルゴア中佐が日頃から部下へのケアを怠っていない証拠でしょう。



⑥思考の切り替えが早い

宴もたけなわ、主人公ウィラードは、キルゴア中佐に自分たちが向かいたい場所を伝えます。

その場所を聞いてキルゴア中佐は、危険だから止めるように助言をします。

しかし、部下は余計なことを言います。

Mike “That's a fantastic peak. “

Kilgore  “Peak ?”

マイク「いい波が来ますよ」

キルゴア「波だと?」

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サーフィンが大好きなキルゴア中佐は、この一言ですっかり前向きに。

夜明けに出撃することを決定。

仕事においても、フットワークが軽いことは大事なことです。

柔軟な思考ができる上司には、いろんなことを相談してみたり、情報共有をしてみたくなりますね。



⑦部下の心配を取り除く知恵と言葉

しかしそこで問題が発生。

上空を進むヘリコプターは問題なく到達できるポイントですが、ウィラード一行のボートでは、水深の問題から進入ができないことが分かりました。

心配するウィラード一行に、キルゴア中佐は笑顔で言いました。

" We'll pick your boat up and put it down like a baby, right where you want it. This is First of the Ninth, Air Cav,son- airmobile.”

「ボートはどこにでも運んでやる! 俺たちは第9航空騎兵団だ。」

 

 

なるほど、水路で行けないなら、空から行けばいいじゃない。

まさに仕事を高いところから俯瞰できるからこそのアドバイス。

的確な指示で、部下の不安を取り除きます。



⑧言葉が短い

ウィラード一行が目指しているポイントは、味方が撃墜された、敵の拠点です。

夜明けに攻め入ったとしても、敵の激しい抵抗にあうことは目に見えています。

それを心配した部下が、口ごもりながら、キルゴア中佐に中止を進言します。

しかし、キルゴア中佐はたった一言でそれを説得します。

 

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“Charlies don’t surf !!”

「ベトコンはサーフィンをしない!」

 

 

分かりやすい言葉で短く指示・説明できるのは、思考が整理されている証拠です。

言われるほうも、くどくど長く続くより、的確で短い言葉のほうが「なるほどそうか」と思うのではないでしょうか。

私だったらそう思います。

キルゴア中佐は、いつでも思考を整理し、短い言葉で部下に指示・説明をしているのです。



⑨効果の出る方法を選択する

明け方、ベースキャンプを出発したキルゴア中佐率いる航空騎兵隊は、朝日に照らされながら海の上を進みます。

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機内では、兵士がそれぞれの思いを胸に、海を眺めています。

僚機から目標地点に近づいた報告を受けたキルゴア中佐は、スピーカーから音楽を流す準備を始めます。

“Yeah, I use Wagner -- scares the hell out of the slopes! My boys love it ! ”

「そうだ。ワーグナーを流す。敵を怖がらせるためだ! みんな気に入っているぞ!」

 

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「ワルキューレの騎行」をかけ、味方の気持ちを高揚させると同時に敵の戦意をそぐ作戦です。

特別で複雑なことをしなくても、手元操作一つで二つの効果を上げています。

よりよい効果が出る方法を的確に選べるキルゴア中佐、さすがです。



⑩信賞必罰

目標地点である敵の拠点に接近したキルゴア中佐率いる航空騎兵隊は、地上の兵力に向かって攻撃を開始します。

僚機が敵の砲を破壊するのを確認したキルゴア中佐は無線でこう言います。

 

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“Outstanding, red team, outstanding. Get you a case of beer for that.”

「レッドチーム、よくやった。ビール1ケースだ。」

 

部下の働きを認め、それに見合った褒美を出す。

あたり前のことかもしれませんが、部下を正しく評価し、正しく対価を出せる上司には、ついていきたくなりますね。



⑪仕事の技能は非常に高い

橋の上を走る敵の自動車を見つけたキルゴア中佐は、無線に指示します。

“Clean the area, I'm coming on myself... don't these people ever give up ? ”

「そこを開けろ、俺がやる。あいつらまだ諦めないな?」

 

 

そしてロケット砲を1発発射。

命中。というか直撃。

上司がこれだけとんでもない技量をもっているのですから、部下は尊敬しているにちがいありません。

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⑫冷静沈着

突然、キルゴア中佐機の中に煙が充満します。

敵弾を打ち込まれたかと機内はパニックになります。

しかしキルゴア中佐は、とっさにそれが発煙管によるものと判断し、火が付いた発煙管を素手つかみ機外に放り投げます。

"It's just a flare, get it out, it's just a flare. Everybody all right ?  Lance, are you all right ? "

「発煙筒だ、発煙筒。みんな大丈夫だな? ランス、大丈夫か?」

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予想外の出来事にも動じず、冷静に対処する。

強い組織には欠かせない上司です。全力でこの上司についていこうという気持ちになりますね。



⑬部下の生命・健康を最優先する

着陸した部隊は、敵の攻撃を受けます。

部下が負傷したことを知ったキルゴア中佐は、ヘリを使ってすぐに病院に連れて行くように指示します。

 

"I want my wounded out there into a hospital in 15 minutes. I want my men out ! ”

「負傷者を15分以内に病院へ連れていけ。部下を救い出せ!」

 

ヘリコプターを1機、輸送に使うということは、攻撃に参加できる機数が1機減るということです。

キルゴア中佐は、敵拠点の攻撃よりも、部下の命を優先したのです。

成果と同じだけ、部下の生命や健康に気を付けられる上司なのです。



⑭自分たちを脅かすものには容赦しない

負傷者を乗せるために、ヘリが1機着陸しました。

しかしヘリは、突如近づいてきた少女の手榴弾によって爆破されてしまいました。

吹き飛ばされる兵士、炎上する機体。

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負傷者の救出は失敗どころか、さらに被害が拡大しました。

キルゴア中佐は一言

“Fucking savages ! ”

「クソ野蛮人め!」

 

悪を許さぬキルゴア中佐は、敵への攻撃の手をゆるめません。

ここからも、航空騎兵隊による攻撃は続きます。



⑮圧倒的幸運

村の砂浜に着陸したキルゴア中佐機。

波を見ながらキルゴア中佐は、どうやって波に乗るかをランスに相談します。

その時、向こうの林から砲声が……

“Incoming !! ”

「敵弾!」

周りの部下がみんな地面に伏せる中、一人立って波を見つめるキルゴア中佐。

敵弾はキルゴア中佐のすぐ隣に着弾します。

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(ん、なんだ)

と言わんばかりの、ちょっとだけ驚いた顔。

そして当然無傷。何事もなかったかのように、サーフィンの話を続けます。

自他ともに認める幸運の持ち主。

「この人についていけば、きっとツキが回ってくる」

そう思わせられるのも素敵な上司の要素だと思います。





⑯鋼の意志

とはいえ、ふつうは敵弾がバカスカ飛んでくる中でサーフィンなんて考えられません。

主人公ウィラードは、部下のランスを連れて先に行きたいため、キルゴア中佐に危険だからサーフィンをやめましょうと進言します。

しかしここでキルゴア中佐が不機嫌になりながら言い返します。

 

“If I say it's safe to surf this beach, captain - it's safe to surf this beach. I'm not afraid to surf this place, I'm not afraid to surf this fucking place.”

「俺がこの浜が安全だと言ったらここは安全なんだ! 俺は怖くないぞ!」

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たとえ部下が弱気になっても、上司は弱気な姿を見せてはいけません。

困難に遭っても諦めない鋼の意志が大事なのです。

キルゴア中佐には、それがあります。



⑰他部署・他組織との緊密な連携

敵の砲撃を止めるために、キルゴア中佐は前線航空管制機に連絡します

“Goddamn, I want that treeline bombed ! ”

「クソ! あの林を爆撃しろ!」

 

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ついでに

“Bomb them to stoneage, son.”

「石器時代にもどしてやれ!」

 

前線航空管制機は、空軍の所属です。

陸軍軍人のキルゴア中佐は、仕事を確実に進めるために別組織との連携を選びました。

そしてこの軽い口調です。これは相当に慣れている人です。

必要に応じて組織間の連携ができることは、よいマネージャーの必須能力です。

キルゴア中佐には、当然十分にあると言えます。



⑱人を引き付ける話し方

空軍の戦闘機が、林をナパーム弾で焼き払いました。

あたりには石油のにおいが漂います。

砲撃が止み、キルゴア中佐はすっかり静かになった浜で言いました。

 

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“ I love the smell of napalm in the morning.”

「朝のナパームは最高だ。」

 

 

「えっ」と思わせる話し方。突然何を言い出すのだろう。続きが気になります。

そう思った時点で、キルゴア中佐の思惑にはまっているのです。

キルゴア中佐は相手に話を聞かせるためのツカミが、非常に上手なんです。

こちらは映画史上屈指の名ゼリフですが、できる上司らしさもトップクラスです。

 

⑲不安を和らげる話し方

ナパーム弾の思い出を語った後、優しい表情でつぶやくようにこう言います。

 

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“Someday this war is gonna end.”

「この戦争もいつか終わる。」

 

 

誰もが、戦争は早く終わってほしいと思っています。

だけど、いつ終わるかは誰も分かりません。みんな不安を抱えているのです。

その不安を少しでも和らげるために、そういったのです。

「この戦争もいつか終わる。」

いつ終わるかは分かりません。だけど、いつか終わるのは事実です。

嘘にならない範囲で、気持ちが楽になる言葉を瞬時に選べるキルゴア中佐は、やっぱりすごい上司です。



⑳諦めない心

ナパーム弾の影響で風向きが変わり、結局サーフィンはできませんでした。

ウィラード一行はボートを下ろしてもらって、目的地に向けて出発します。

ついでに、ウィラード一行はキルゴア中佐お気に入りのサーフボードを盗んでいきます。

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キルゴア中佐は、盗まれたサーフボードを取り返すため、部隊のヘリを飛ばして自らの録音テープを一帯に響かせます。

 

“I will not hurt or harm you. Just give me back the board, Lance. It was a good board and I like it. You know how hard it is to find a board you like.”

「危害は加えない。ボードを返してくれればいい。ランス、あれはお気に入りなんだ。丁度いいボードを見つけるのがいかに大変か、知っているだろう。」

 

 

盗まれたものは、そうそう返ってきません。

それでも、わずかな可能性に賭けて、作戦の合間にヘリを飛ばしてボードを探すキルゴア中佐。

可能性は低くても、できることを全力でやる。

不撓不屈のその姿は、「この人は並大抵の人ではない」と部下に思わせられるものと思います。

 


まとめ

以上のように、キルゴア中佐は、上司として完全無欠の素質を備えています。

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☝最高にかっこいいと思います。

 

高校生の頃の自分の期待に応えるべく、私も上司力の研鑽に努めていきたいと思います。