Try Something New

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さようなら、iPhone

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「あんなにiPhone好きだったうたこが?!?!」

 

GooglePixel3を買ったと言うと、母も友人もそう言いました。夫だけは「飽きたんだね」と言っていましたが、そうです。私、大好きだったiPhoneとお別れしてGooglePixel3をお供にすることにしました。

 

8年、あっという間でした。この記事は私とiPhoneの出会いを記したどうでもいい内容になっています。気になる方はぜひお読みください。(気にならないだろ)

 

iPhoneとの出会い

2010年。始まりは三宮のセンター街でした。

 

ソフトバンク……?

三宮のセンター街を、当時付き合っていた特に好きでもない彼氏と歩いていた私は、「iPhone」と言う名前の見慣れぬ形状をした携帯電話ののぼりを見つけました。

のぼりなんて普段は気にすることもなく、さっと通り過ぎるものだったのですが、そのときは妙に気にかかったのです。「softbank」という、docomoでもauでもないマイナーで怪しげな携帯会社も気になりました。

 

「iPhone」って何??

 

気になって仕方なかった私は、帰宅後パソコンで全力の検索。

パソコンメーカーの作っている携帯電話で、アプリをダウンロードしてカスタマイズできて、パソコンみたいにインターネットができる。

キーボードがなくてタッチ画面になっていて、水に濡れると壊れるし落とすと画面が割れる。

 

iPhone3Gから日本上陸? しており、その次の機種となる3GSが販売されたところだったようです。

分かったのはそんな感じの情報だったのですが、私は胸の高鳴りを抑えることができませんでした。

 

手のひらサイズのパソコンってこと……? カスタマイズって何?! アプリ?! アプリって何?! 

 

だめだ、これはもう気になって仕方ない。

iPhoneののぼりを見た1週間後、私は当時好きでもなかった彼氏に合わせて契約していたauからMNPでソフトバンクのiPhone3GSに機種変更をしたのでした。

 

大教室の後ろの方で行った、開封の儀

当時は携帯会社で機種変更をすると、2〜3時間を取られるのが普通でした。午前中に機種変更を済ませ、スッと持ち上がる不思議な感触のスマートな箱に入れられたiPhoneを、電車の中でチラ見しつつ大学の授業に向かいました。

 

ちょうど大教室での授業だったので、後ろの方の席でiPhoneを取り出しました。

 

ぱかっと開く携帯電話とは似ても似つかぬ風貌。海外のブラックベリーとか、そういう携帯電話になんとなく近い。電源を入れると食べかけのりんごのマークが浮かびました。

 

なんだこれは、めちゃくちゃにかわいいな。

 

ざっとセットアップを済ませると、例の「アプリ」でカスタマイズを開始します。appbankというアプリレビューサイトを参考に、やりたいことができそうなアプリを片っ端からダウンロードしていきました。

 

眠れない!!!

手に取った瞬間から私の目も頭も時間も、そして心も奪い去ったiPhone。

手に入れた当日は朝の5時までアプリを探してカスタマイズを続けました。紙の手帳なんてもう要らない! これからは全部このiPhoneで管理できるんだ。

Twitterという、つぶやきを投稿する変なアプリもダウンロードしました。おそらく、初めてのツイートもこの夜だったと思います。

 

この世の中にこんなにも面白いおもちゃが存在したなんて。

 

この頃はまだカーブを描いたつるっとした本体が、よく手に馴染んでいました。

 

サークルの友達にはめちゃくちゃバカにされた

この新しく面白い最高のおもちゃを、私は見せびらかしたくて仕方がなく、サークルの友達に「機種変した!」と言って回りました。

てっきり、羨ましいとか私も俺も欲しい! と言われると思っていた私は、サークルの友達の反応を見てがっかり。

 

「文字打つところないじゃん! 使いにくそう」

「画面が外に出てる状態じゃ傷つくじゃん」

「ネットはパソコンの方が見やすいでしょ……」

「アプリってなんなの??」

 

えーーーー、本気で言ってるの? この人たち。こんなに最高のおもちゃの良さが分からないなんて、どういうこと?? 

私のiPhoneお披露目は、ただただ「うたこってやっぱ変人」という結論で終わってしまいました。

 

情報収集大好きな私に取って最高のアイテム

気になることはなんでもすぐに検索したい私の性質に、手のひらの中のパソコンであるiPhoneは本当にぴったりでした。会話の中で出てきたこともさっと検索。

ただ、この頃はまだちょっとネットの読み込みは遅かった。

それでも、サークルの調べ物とか、授業中に気になったこととか、なんでもすぐに情報を手に入れられるのは最高でした。

 

いくらでも呟ける私の脳みそ

同時に、たまたまダウンロードしていたTwitterというアプリにも大ハマりしました。常日頃から脳内で会話が繰り広げられている私は、多少言葉を外に出しておかないと頭が破裂してしまいます。

大学生とは、鬱々とした気分にもなりやすいお年頃。今考えるとこっぱずかしく、大変に子供で、若くて未熟な言葉の数々をネットの大海に放流していました。

 

Twitterで繋がった人たちと実際に仲良くなれたのも、この頃でした。オフ会、という、両親からすれば「犯罪の温床」にも私は嬉々として出かけていきました。

というか、就活で上京するのにかこつけてオフ会を自主開催し、80名近いフォロワーと会いました。飲み会を開いた大勢の人たちに見送られて乗る夜行バスは、なんともセンチメンタルで青春の香りがしました。

 

iPhone4の登場と就活

私がiPhone3GSを手に入れて散々バカにされた翌年、iPhone4が発売されました。

あれだけ言っていたサークルの友達が続々とiPhoneユーザーに変わり、同時に、就活を行う年になった私たちには「すぐにネット検索できて、MAPも開け、メールも見られる端末」は強い味方になりました。

 

さらにその翌年、iPhone4Sが登場する頃には、iPhoneは就活の必需品として紹介されるようになりました。

 

ほら、だから言ったじゃん。iPhoneはすごいんだって。

 

みんなスマートフォンを持ち始めた

スマートで最強のiPhone、なんかもっさりしてるAndroid。

そんな感じのイメージが強かったものの、世界は一気にスマートフォンへと加速していきました。iPhoneをいくらプレゼンしても持とうとしなかった家族も、徐々にスマートフォンへと移行していきました。

 

これ以上のアイテムは他にはない。

 

でも、なんか、真新しさはなくなってしまったな。初めて手にした時の鼓動の高鳴りには二度と出会えないような、そんな気持ちのまま、2年に一度新しいiPhone端末に買い換えるという、惰性のような日々が続きました。

 

iPhoneとの別れ

ある日、2010年から続けているTwitterでだらだらと呟いていると、「GooglePixel3」という端末のプロモーションが流れてきました。

なんぞ……? 

と思いサイトにアクセスすると、情報は全くなし。メールアドレスを登録しろとだけありました。しかも、登録したところで情報なんて全然来ない。

気になって検索すると、どうやら「海外ではすでに大人気」「GooglePixel3になって日本初上陸!」「カメラがすごい」「AIをいっぱい使っている」そんな情報が見つかりました。

 

なんか面白そう。見た目も可愛い。

 

思えば、この時すでにiPhoneから心は離れていたのでしょう。その隙間につけ込むように現れたGooglePixel3は、日に日に私の中で興味をくゆらせることとなりました。

 

GooglePixel3、まだ見ぬ世界展

表参道で開催されていた「まだ見ぬ世界展」にも、生後3ヶ月の赤子連れで参加。一度興味を持った私を止めることは、何人たりともかなわない。

「まだ見ぬ世界」ってタイトルがいい。私は、今ここにない何かが見たい! 知りたい!

 

端末を触ってみた。正直、スタッフの人が勧めるほどすごいと思わなかったし、それがどないしてん? という機能もあった。

でも、この先に何かありそうな気がした。

 

予約注文、そして検索の日々

Googleは日本上陸に本気で、インフルエンサーには片っ端から端末をプレゼントしていたらしい。10万円もする端末を手に入れられる人たちを羨ましいなと思いつつ、そういう戦略をとるGoogleをちょっと微妙だなとも思いつつ、GooglePixel3に関するツイートや記事を読みに読み漁った。

中には、やっぱりiOSが最強だったなんてものもあり、購入は間違いだったかと不安になった。

 

配送遅延もあり、手元に届く気配のない高価な端末。

 

私の心はGooglePixel3でいっぱいだった。iPhoneに心ときめかせた不安な日々と同じように。

 

こんにちは、GooglePixel3

ついに端末が届いた!!!!

セットアップして、移行作業をして、あとは色々と遊んでみる。

Android端末は初めてだったけれど、カスタマイズ性の高さは意外と面白かった。あとやっぱりカメラ!! 娘が可愛く撮れる!!!

 

AIを使って自動で加工処理を行うため、現実を正確に記録するというよりは、人間の目に映っていたもの、人間がそう見たいものに合わせて補正が入る。

これがまた不思議な感覚で、残しておきたかった思い出を脳みその中からそのまま保存できているかのような気持ちになる。

 

そうそう、娘の肌のつや、表情、目で見ていたものにとても近い。撮影するのも楽しいし、写真を見返すこともとても増えた。

 

この端末は、思い出を記録することができるんだ。

 

移行作業後、アプリもスカスカになったiPhoneをみる時間は、GooglePixel3が来る前から40%ほど減った。ベビーモニターとして使用しているからそれなりに起動はしているけれど、手が伸び目が落ちるのはもう完全にGooglePixel3である。

 

いつも私の手の中にいたiPhoneがテーブルの上に置き去りになっているのを見た母は、私のiPhoneの代わりに「なんかすごく寂しい……」と呟いた。

 

さようなら、iPhone

本当に本当に大好きだったiPhone。

でも私、もっともっと遠い未来が見たい!

 

今まで、ありがとう。