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ヨーロッパの鉄道、実際に行ってきた(こいつはオカシイ railjet編)

こんにちは。うたこの夫です。

前回に続いて、ヨーロッパの鉄道旅行のお話です。

今回の焦点はオーストリアの高速鉄道「railjet」。

私としては、これに乗りたいがためにオーストリアに来たようなものです。

だってこいつらオカシイんだもん。理由は後述。

railjet(レイルジェット)

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railjetの先頭側面部(ザルツブルグ中央駅)

 

railjet とは

オーストリア発の高速列車で、2008年に登場しました。

機関車1両と客車7両の合計8両編成です。

赤と黒とでまとめられたカラー。

ザルツブルグ ― ウィーン間では、2編成を繋げた16両編成でも運行されます。

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(ザルツブルグ中央駅)

高速鉄道という割には全面傾斜がきついです。普通の電車みたい。

バッファまでついていて洗練されてない感がある。

というかこれが2008年のデザインなのか? とても古臭いぞ。

でもこいつはいろいろオカシイんです。

 

ここがオカシイ① 専用線……

ヨーロッパの高速鉄道ですので、前回紹介したICEと同じように在来線と高速新線を渡り歩きます。

在来線では在来線の速度で、高速新線では高速鉄道らしく走ります。

しかしオーストリアには高速新線網がまだ出来上がっていません。

ちょくちょく部分的に開通している区間を利用しながら走ります。

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だからこそ、世界遺産の車窓をゆっくり楽しめるんですけどね。

 

 

ここがオカシイ② 古臭いのに最先端

高速新線が少ないんだったら車両側も速くなくていいよね。

そして最高時速は230km/hとなりました。

残念な結果?

いえいえ、そんなことはありません。むしろこれが世界の最先端です。

年末に登場する予定のICE4も最高時速は250km/hですし、整備新幹線だって240km/hまでですよね。

経済性を軸に効率を考えると、300km/h以上の速度が必要でない場合も多いのです。

だから最初からあきらめて将来を見越した設計のrailjetは、最先端と言えるのです。

 

最先端なのは速度だけではありません。

内装はICE3よりもさらに近代的でシンプルかつスマートです。(個人の印象)

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1等車の座席は黒の革張りです。基本的な装備はICE3の1等車と同等です。

座席の背後に荷棚が見えますね。これは車両の中央部に備え付けられています。

3段ほどありますので、大きなトランクもたくさん積めます。

もちろん各席天井にも網棚があります。

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1等車では食堂車から食事を運んで来てもらえます。メニューが豊富です。

ゆっくり食事を楽しんだり、コーヒーを持ってきてもらうなら、ちょっとぐらい遅いほうが楽しいですよね。 

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ちなみに1等車「First class」 の上に特1等車「Business class」があります。

私の切符では乗ることができませんでしたが、いつかは試してみたいと思います。

 

ここがオカシイ③ 動力車が……

編成の片端に機関車を繋げて、客車と合わせて固定編成を組む。

だから機関車は客車を牽いたり、押したり。

日本では高速時の安全性を保てないとして、めったに見られない運転方式です。

しかし、日本と車両の装備が異なるヨーロッパでは、各国の近郊列車やIC等の特急によく見られる一般的な運転方式です。

高速鉄道でも採用例があります。ドイツのICE2がそうです。

写真はありませんが、先頭に連結されている機関車は、ICE2専用です。

機関車と客車の間の隙間も狭く、前後非対称のデザインで編成に一体感があってかっこいい。

 で、こちらがrailjetの機関車です。

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(ミュンヘン中央駅)

機関車の顔は冒頭の写真とほぼ同一ですね。

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うん。だいたい同じ顔だ。カラーリングも合わせてあります。

じゃあ客車との連結面はというと……

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(ミュンヘン中央駅)

この隙間。合わせる気、全くなし!

というのも、このrailjetの機関車は、専用機関車ではないのです。

オーストリア連邦鉄道が保有する在来線用の機関車をそのまま使っています。

その機関車の名前は Rh1116またはRh1216といい、通称はTaurus(タウルス)です。

無改造で最高時速357km/hの記録をもつバケモノ機関車。

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(ザルツブルグ中央駅)

だからといって、在来線の機関車が無改造で高速鉄道に使われるなんて。

日本で例えるなら、EH800に客車牽かせて新幹線って言ってるようなもんですね。

 

ここがオカシイ④ デザインを……

先述の通り、railjetは赤と黒を基調としたデザインです。

編成の前後で赤の面積が広くなって、前面では真っ赤になります。しかし。

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(ともにザルツブルグ中央駅)

ご覧のように、機関車の向きが前後逆に繋がっていることが多いです。

せっかく編成でデザインを揃えたのに、一体感がありません!

でもこれはマシなほう。

 

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(ウィーン中央駅)

おまえに至ってはrailjet塗装ですらない。

ちなみにrailjetはチェコ鉄道でもČD railjetとして運行されています。

青と白を基調としたさわやかなデザイン。

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(ミュルツツーシュラーク駅)

もちろんこいつも機関車と客車とのカラーリングは合わせてあります。

が。

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(ウィーン中央駅)

やっぱりこういう運用もあります。

逆に

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(ミュルツツーシュラーク駅)

railjet塗装の機関車が通常の特急列車を牽引することもあります。

問題なく動ければそれでいい。そういうところが好きです。

 

ここがオカシイ ⑤特別塗装の謎

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 ↑ オーストリア鉄道175周年記念塗装(もと)(ザルツブルグ中央駅)

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 ↑ Ski Austria塗装(ミュルツツーシュラーク駅)

その他にもサッカーオーストリア代表の塗装になった編成などもあります。

そしてそれらの息が長い。山手線だったらせいぜい数か月でラッピング期間が終わります。

それと比べて、オーストリア鉄道175周年記念塗装は2012年登場。

Ski Austria塗装は2013年頃登場。いつまでこの塗装を残しているんだ!?

(ちなみにこいつらも機関車が前後逆になったり交換されたりすることがあります。ラッピングの意味ねぇ!)

 

 

まとめ

ということで、「オカシイ目線」でrailjetを見てきたわけですが、誤解なきように申し上げますと

私、railjet大好きすぎて辛いです。

 

 高速鉄道なのに急がない!

 枯れた技術で確実な運行!

 機関車を専用にしないことで万一の事態にも備える!

 シンプルでスマートな内装!

 鮮やかで重みのあるデザイン!

 メニュー豊富な食堂車!

 1等車のさらに上の豪華な座席クラス!

 世界遺産を走る高速鉄道!

 

世界を見渡しても、他に例を見ない世界唯一の高速鉄道です。

ちゃっかり模型もそろえちゃったりして。

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しかも例の機関車のカラーが違うやつ。