美味しさは芸術になる。
美味しい味のものが作れるようになると、次に人はそれを組み合わせたり、より美しい見た目にしようとします。そして、人間界における美しさの最たるものが「想いの表現」、いわゆる芸術です。人が手から作り出すものにはいつもメッセージが込められていて、世の中はそういったメッセージを発信する人と受信する人に分かれていきます。基本的には、発信者はコンテンンツメーカーであり、お金を儲ける側の人になっていきます。
そんなことがようやく分かってきたこの頃、FURUYAaugastronomeに行ってきました。
FURUYA augastronome@赤坂
美しく、力強く、生命力に溢れたフランス料理。オーナーである古屋賢介さんは、英語のフランス語も話せなかったにもかかわらず、たった一人でフランス、スイス、ベルギーの星付きレストランで修行を行ってきました。そこで学んだ本物の料理を日本でも! ということで、いろいろあって2015年にオープンしたのがこちらのお店です。
私が食べた時のmenu
ごぼうのスープでした。ごぼうって、子供の頃には全く興味を持たなかったのですが、大人になってから美味しさが分かる食材ですよね。寒い冬の夜、飲むとホッとします。
パンは3種類です。ライ麦パン、真ん中の赤色のパンは、トマトのパン! 一番奥は小麦粉のパン。風味がふんわりと漂います。もちろん、このパンもお店で焼かれているものです。手間暇かかっている…。
パンにつけるラードです。
シマガツオのマリネは、つるりとしていながらもしっかりとした弾力が美味しい! すだちで爽やかに。
オマール海老の冷製ジュレ、キャビアとカリフラワーのムースです。
組み合わせの妙って感じ? 美味しいねん!! オマール海老は食感がとてもしっかりしていて味わいがあります。(私の説明では料理名が省略されているので、正しいものは最初のメニューの写真をみてね)
フォアグラのコンフィ! トリュフもあるよ。右側の丸いのは、トリュフのシフォンケーキ…まじかよ、そんなことができるのかよ…という衝撃。でね、これをフォアグラと一緒に食べると、糖と脂肪で激ウマ脳内ホルモンが出るんです。
このフォアグラはハンガリーから輸入して来たもので、鳥インフルエンザが出てしまったためにこれが最後?! という話でした。貴重なフォアグラです。
ホタテとうずらとワインソース。ホタテのぷりぷり感がとんでもなかった。ホタテのぷりぷり感がね、とんでもなかった!!! 左下に見えている小さな白身のようなものは、うずらの卵のポーチドエッグなんです。ぷちっと潰れて、とろりと黄身が出て来ます。私は何か「やばい」と思いました。
スズキとタコです。まるでお花畑のようです。
鴨肉のイチジクソースかけです。今度は森の中みたい。
なーん。
締りのある鴨肉に、ビターなイチジクソースがベストマッチいいい
柿の黒ビールコンポート、ソルベ添え。
一体何をいっているのか…?
柿が、黒ビールにコンポートされているんですよ! 甘いのにちょっとほろ苦い、人生かよ!
最後はブラウニーショコラと、ピスタチオのアイス! 濃厚でビターなブラウニーショコラに、こちらも甘さが抑えめのピスタチオで、デザートだけど甘さで攻めるのではなく、あくまでも組み合わせで攻める感じ。
いやはや美味しかった。えっ、これとこれで、きます?! みたいなことが多くて本当に面白かったです。組み合わせの妙、興味深いったらありゃしない。
私も組み合わせに注力してみようと思って、餅とはんぺんを生姜風味の煮込みにしてみました。妙だな、って部分だけは再現できたと思います。