こんにちは。うたこの夫です。
オーストリアの高速列車「ÖBB railjet(レールジェット)」にすっかりはまっているの御存じの通り。実は旅行に行く前、というより妻と結婚するはるか昔からrailjetにはまっていました。
「なんじゃこの遅そうなのに速いやつ!」
どう見ても機関車牽引の客車列車なのに230km/hって!
それでいろいろ迷った挙句、Nゲージを買うことにしました。
最初の導入は2015年。我が家には3番目の外車として。それからわずか2年。まさか我が家の外車勢が46輌にもなり、そのうち24輌がrailjet関係になろうとは。。。
ということで、今日はHOBBYTRAINから発売されている、Nゲージのrailjetについて、それぞれ比較しながら紹介いたします。
所属編成紹介
我が家にあるのは以下の3編成です。
上段から下段に向けて
ÖBB railjet 第06編成 "Spirit of Budapest" 製品番号 H25216 + H25217
巷では"オッサン"と言われる広告付き編成です。ロゴが小さくありませんが、それ以外はだいたい現行仕様です。
ÖBB railjet 第49編成 "175 jahre" 製品番号 H25212 + H25213
編成全体がオーストリア国旗になっている特別塗装です。
ÖBB railjet 第02編成 "Spirit of Vienna" 製品番号 H25200 + H25201
ロゴ、床下、ドア警戒色、階級表示、その他諸々、登場時の仕様です。
"Spirit of Budapest" には、専用のRh1116が付属していません。今回は代わりに、FLEISCHMANN の Rh1216 "ČD railjet" をつなげています。
機関車(Rh1116, Rh1216 "Taurus")を見る
それにしても、HOBBYTRAINのRh1116、というかES64U2は腰高ですね。ES64U4はそこまででもないのに。
HOBBYTRAINのEU44(ES64U4:左)と同社のRh1116(ES64U2:右)比較。
同じメーカー同士。すでに屋根高さが合っていない。ES64U4のほうが低いですね。
FLEISCHMANNのRh1216(ES64U4:左)とHOBBYTRAINのEU44(ES64U4:右)の比較。
同じ機種同士でも、メーカーが違えば一段の差ができています。FLEISCHMANNのほうが低いですね。
FLEISCHMANNのRh1216(ES64U4:左)とHOBBYTRAINのRh1116(ES64U2:右)の比較。
やばい。バッファが合わない!
やっぱりHOBBYTRAINのES64U2はスーパー腰高だ!
でも気にしない。だって我が家ではHOBBYTRAINが圧倒的多数だから。
ユーロスプリンター、総勢8輌。このうち、railjetの動力車となりえるのは、ÖBBに所属する4輌。
いずれ、FLEISCHMANNのサウンド付きも導入したいけど、もう限界かなあ。
railjetを見る
動力車の腰高問題を除けば、HOBBYTRAINのrailjetは「見られる」製品です。「走らせる」までには少し大変でしたが。
欠陥と解消方法
①集電装置
集電装置が過大な走行抵抗になるという致命的欠陥があります。しかし、集電シューをちょっと折り曲げて車輪と干渉させなければOKです。室内灯取り付けはあきらめてください。
②極端なシャコタン
タウルスとは逆に、客車のほうは車高が低くてかっこいいです。低すぎて車輪とボディが接触している個体もあるレベルです。
バカかよ!
日本のメーカーではあり得ない欠陥ですが、これも一度台車を外してワッシャーを噛ませればOKです。
各車輛比較
タウルス
まずはタウルスです。腰高問題は先ほどの通り。下段、"Spirit of Vienna"のタウルスは床下カウル付き、スイス乗り入れ用のパンタグラフがついています。実車ではrailjet担当機でも初期の一部にしかついていません。第02編成にあたる"Spirit of Vienna"にはどちらもありますが、第49編成にあたる"175 jahre"にはどちらもありません。
*1号車 Bmpvz 8490.1
機関車の次位にある2等車です。自転車スペースや、子供向けビデオサービス"Kinder Kino"があります。ドアは1か所です。
運用によってはこれが最後尾になります。つまり、タウルスがAfmpzの前に立つことがあります。んなバカなって? マジです。
"Spirit of Budapest" は、床下がグレーです。ドアの周りの警戒色がドアを囲んでいます。ちゃんとオッサンのにこやかな顔が映っています。
"175 jahre" 左下にドイツ語で「私たちの環境のために」と書いてあります。ドア周りの警戒色がドアの車端よりだけです。
"Spirit of Vienna" は、床下がシルバーです。ドア周りの警戒色がドアの車端よりだけです。
*2号車 Bmpz 2290.2
2等車です。ドアが2か所あります。
"Spirit of Budapest" ちゃんとオッサンのにこやかな顔が映っています。
"175 jahre" 左下にドイツ語で「私たちの未来のために」と書いてあります。
"Spirit of Vienna" は、特段何もありません。
*3号車 Bmpz 2290.3
"Spirit of Budapest" ちゃんとオッサンのにこやかな顔が映っています。
"175 jahre" 左下にドイツ語で「私たちの子供のために」と書いてあります。
"Spirit of Vienna" は、特段何もありません。
*4号車 Bmpz 2290.4
"Spirit of Budapest" ちゃんとオッサンのにこやかな顔が映っています。
"175 jahre" 左下にドイツ語で「私たちの市民のために」と書いてあります。
"Spirit of Vienna" は、特段何もありません。
*5号車 ARbmpz 8590.5
1等食堂合造車です。1等車エリアには、車いすスペースがあります。実車に乗りましたが、向かい側とは妙に遠くて、足を投げ出しても届きませんでした。
"Spirit of Budapest" では、「restaurant」になっています。現行に近い仕様です。
"175 jahre" 左下にドイツ語で「私たちの余暇のために」と書いてあります。
"Spirit of Vienna" では、「bistro」になっています。登場時の仕様です。
*6号車 Ampz 1990.6
1等車です。
"Spirit of Budapest" ちゃんとオッサンのにこやかな顔が映っています。
"175 jahre" 左下にドイツ語で「私たちの職場環境のために」と書いてあります。
"Spirit of Vienna" は、特段何もありません。
*7号車 Afmpz 8090.7
1等制御客車です。この運転台からタウルスを遠隔操作できます。1等席と特1等席があります。
"Spirit of Budapest" では、特1等の表記が「business」になっています。現行に近い仕様です。
"175 jahre" 左下にドイツ語で「私たちの経済のために」と書いてあります。
"Spirit of Vienna" では、特1等の表記が「premium」になっています。登場時の仕様です。
Afmpz運転台横の印刷
"Spirit of Budapest" では、きちんと黒い枠の中に納まっています。印刷もはっきりしています。
一方。
"Spirit of Vienna" では、思いっきりはみ出ています。印刷も、なんとなくぼやけた感じ。
私たちがミュンヘンからザルツブルグまで乗ったのが、まさにこの"Spirit of Vienna"編成。この思い出の編成、手に入れるのが一番大変でした。そして高かった。なのにこれが一番ぐずぐずな出来であるのは残念ですが、まあそれも思い出のスパイスということで納得しています。よく考えれば、遠く離れた国で乗った車輛、その個体の模型を所有するなんていうのは幸運で贅沢としか言いようがありません。
編成例
別の記事でも紹介いたしましたが、railjetはめちゃくちゃな組み合わせで運行されます。タウルスと客車はだいたい組み合わせで運用されます。しかし、タウルスのフレームに対するダメージを緩和するために、向きを逆にするというのは日常。運用によっては別のタウルスが入ったり、入れ替えたりすることも。私がオーストリアにいた数日間だけでも、たくさんの組み合わせを見ました。
客車+タウルス の順で紹介。
- 通常塗装+通常塗装 正しい向き
- 通常塗装+通常塗装 逆向き
- 通常塗装+ブレンナー鉄道150周年記念塗装
- 通常塗装+ÖBB標準色
- OFB塗装+ÖBB標準色
- チェコ塗装+チェコ塗装 正しい向き
- チェコ塗装+ÖBB標準色
- Ski Austria+ÖBB標準色
- 175 jahre+175 jahre
これらが区間によっては2編成繋がって走っています。
……つまり、ÖBB所属のRh1116かRh1216だったらなんでもいいようです。
帰国後、私はこの動画を見て勉強しています。
「なんだこの組み合わせはー!!」
って驚いたり笑ったりしていると、妻から冷ややかな目で見てもらえます。
まとめ
HOBBYTRAINのrailjetは、正直に言って手のかかる製品です。タウルスの出来は悪いし、個体差は激しいし、まともに走らないということもしばしば。日本型と同じ感覚で手を出してはいけません。そのくせバカみたいに高い(編成で揃えると7万円前後)。現行仕様は案内すらされていない。なのに中古市場にはめったに流れず、運良く見つけても新品と同等またはそれ以上の価格ということもよくあります。
どう考えても、
よく訓練されたドM向けです。
しかし、逆にこう考えれば楽しくなります。
- 今後、現行仕様が出るかもしれない!
- 動力車は同時期発売のFLEISCHMANN製品を購入すればよい!
- OFB塗装など、未発表の特別塗装も待ち遠しい!
- Nゲージ唯一のrailjet!
- 増備するたび、変態的な組み合わせを実車同様に楽しめる!
……いかん、金銭感覚がぶっ壊れた発言だ。