あっという間に妊娠6ヶ月目になりました。週数でいうと22週です。出産が40週目だと言われているので、やっと半分、後半戦に入ったところになります。
つわりの終わりから胎動を感じるようになった今考えていることをまとめようと思います。
妊娠6ヶ月目
体の変化は、どうやら同じく妊娠中の友人に比べて少なめ、夜も眠りが浅くなった程度で目を覚ましてしまうほどでもなく、腰痛、胃痛、歯のトラブルもなし。
肌荒れもなくどちらかというとつるんとしており、問題は体重増加くらい。1ヶ月で5kgも増えてしまったので流石にと注意を受け、今は1日1,500〜1,900kcal以内で抑えられるように調整をしています。これでギリギリ増えない計算になるはず…。
つわりの終わり
つわりの終わりに関しては「ある日突然霧が晴れたように」終わるとよく言われているのですが、私の場合はじわりじわりとでした。
それまで18時になると気持ち悪さで活動限界をむかえ、19時には就寝し朝の7時まで眠るという生活を送っていたのですが、だんだん21時、22時と起きていられる時間が長くなり、23時頃まで起きていても気持ち悪くなり、日中のだるさも消え去ったあたりで、私のつわりは終わりました。
結局1度も吐くことなく、ただただ気持ち悪さをゲップでごまかしながら乗り切ることができました。職場の人も「つわりっていつから?」と見当違いな時期に訊ねるくらい、私のつわりは夫以外の人には見えないものでした。
これがいわゆる寝づわりというやつなのかなんなのかは分かりませんが、母親が「血を吐くレベルの吐きづわり」であったことを考えると、つわりは軽い方だったのかもしれません。
それでも、つわりの期間中は毎日が灰色、夫が作ってくれた食事も2〜3口で限界、何を食べても美味しくない。もしこれが病気で、二度とこの状態から回復しないなんて言われたら私は生きていく気力を失うだろうなと思いました。
病気の人の世界と、病気から回復した人の世界を垣間見たような気持ちです。病気の場合は、治療とかもあるからもっと過酷だろうとは思いますが…。
つわりが終わってからは、とにかくご飯が美味しくなる。これも理論通りに私に降りかかってきました。めちゃくちゃ食べられる。世界中の食べ物が私の復活を歓迎しているかのように思えました。
そしてあっという間に5kg増です。体重が増えすぎると産道に脂肪がつき、難産になる可能性が高まるそうなので未来の私のためにも食べ過ぎには気をつけましょう。意外と、食べなくても持つものです。
胎動を添えて
胎動は、経産婦であれば早くて16週目ごろから、初妊婦でも18週〜20週頃には感じ始めると言われています。私は元々の皮下脂肪が分厚かったせいなのか、全然胎動を感じませんでした。
しかし! 21週頃に、ボコンと動きを感じるようになってからは、毎日のように胎動を感じます。妊婦健診の間が1ヶ月になり、腹もそこまで出ず、動きもない間は「こいつ、死んでるのか生きてるのかさっぱり分からん」状態だったのですが、今は確実に「今日も生きてる」というのが分かります。
まだ外から触って分かるほどではないため、私しか感じることができない胎動を、夫は大変悔しく見つめています。確かに、この点に関してはうらやましい! と思うかもしれないなー。
そして、「胎動を感じ始める=生きてることを毎日認識する」ということが、私を次の行動に駆り立てました。それは、赤子を迎える準備です。
急に始まった赤子の出迎え準備
私よりも少し先を行く妊婦の友人がベビーベッドなどの用意を始めていて、早いなーもうそんな時期かー私はいつからやればいいんだろう、まぁ、直前でいいか。と思っていたのですが、胎動による「生きてまっせ、おりまっせ」コールにものすごく駆り立てられるものがあることに、私も驚いています。
胎動は妊娠中期、安定期と呼ばれる頃から始まります。なお、この後妊娠後期に入ると巨大化するお腹により各臓器が圧迫され、さらにマイナートラブルが増えます。胃酸が逆流したり、一度にたくさん食べられなくなったり、便秘になったり、腰痛になったり、動悸息切れも激しくなるので動くのもだんだんしんどくなるとか。
私の中でアラームがなります。
「メーデー! メーデー! つかの間の安息は今だけだ! 備えよ!」
そうして私は、今、やらねば! という気持ちになり、産後の生活スケジュールとそれに伴い必要になる物資のリストアップを開始したのでした。
↓ 子育て中の友人に教えてもらったジーナ式育児、私の性格にめちゃくちゃ合いそうなので実施予定です。
ジーナ・フォード 朝日新聞出版 2007-03-22
売り上げランキング : 1392
|
で、ここで夫との温度差を感じ始めます。
私は危機感を持ってタイムリミットに向けて準備を始めているのに、なぜこの人はいつも通り鉄道模型の検索をしているのだろう……? と。
しかし、私はここで夫の悪口が言いたいわけではありません。なにせ、赤子出迎え準備は私の中で唐突に湧き上がったものであり、他人である夫にそれがシンクロするはずがないのです。
なので私はここで、胎動を感じた瞬間から母体に起こる心境の変化をできる限り分かりやすく言葉にしてみたいと思います。
まず、胎動によって私は「この腹の中の生き物が確実に生きている」ことを毎日認識します。しかも、毎日何度も。
そして、妊婦健診によってこの腹の中の生き物が結構なスピードで成長していることを目の当たりにします。最初は数ミリ、数グラムだった生き物が、今や18cm、450gという大きさに。
18cmって、iPhoneSEが1.5台分の大きさですよ。ハードカバーの本もだいたいそれくらいの大きさ。450gはりんご2〜3個とかの重さ。手で持つと、結構ずっしり感じるはずです。この生き物が、この後、50cmと3,000gほどになって股から出てくる。
(なお、赤子の出口となる子宮口は出産時に10cmまで拡大します。生理で血を流している時でさえ、直径1mmなのに。100倍も拡大するのです。異常事態だろこれ)
腹の中で着々と成長する生き物と、この後に訪れる妊娠後期という名の受難。そう、私が元気に物を調べたり、考えたり、何かを見て回ることができるのは、この安定期と呼ばれている2ヶ月しかないのかもしれないという危機感。
例えるなら…予約販売の巨大プラモデルを発注したとき。なんと2m×2mの超大作! 当然今のままでは製作スペースも飾る場所もありません。今の荷物を多少減らし、収納方法を変え、なんとかプラモデルが届くまでに場所を確保しなきゃ、って言う気持ち。
ペットショップに並ぶ可愛いコーギーを飼うことに! ケースには売約済みの張り紙、あとは我が家で出迎える準備さえ済めば、可愛いコーギーとの生活が待っている…子犬って何があればいいの?! 何食べる? え、爪切り? そっかケアも必要だから…と色々調べていく過程。
想像していたものが現実に降りてくるための準備って、思った以上に細かい。
新しく、しかも未知の年齢層の人間が家にやってくることを考えると、その準備に焦るのは当然のことでしょう。
ですが、この準備しなきゃな気持ちはあくまでも私の中に急に芽生えたもの。夫視点からこの時期の妊娠について考えてみます。
夫から見た安定期は、つわりで身動きが取れない大変そうな時期が終わって、おー、なんか元気になったみたい、よかったなぁ。と思う時期。つわりの間は家事もたくさんやってきたし、今はまた動けるようになってくれてよかった。
胎動も始まったって、自分には全くわからないけれどちゃんと生きてるんだなぁ。嬉しいな。でも、まだまだ出産までは半年もあるのかぁ。長いな〜。早く会いたいな〜。みたいな感じ。
お分かりいただけただろうか。
妻側は「今の2ヶ月のうちに!」と焦っているのに対し、夫は「生まれるまであと半年」と構えているのです。ちなみに、妻は赤子グッズを揃えた後は自分の出産グッズも整えていかねばなりません。当然、赤子グッズは、グッズを買うだけでは終わりません。どこで生活させるのか、そのためのスペース作りも考えなければならないのです。
(私もそのために、今倉庫の壁を塗ったり可動棚を作ったり要らないものを片付けたりしています。)
そして、赤子との生活をメインで動かしていくのは私になるため、生活の仕方も「私のやりやすいように」やるしかありません。その為に大量に情報収拾を行なっているのですから、生半可な情報で「これはあれでいいんじゃないの。」なんて口を出せば「それも検討済みだけど〜〜の理由で却下して、これにしたんだよ。」と返してしまうこと間違いなし。仕事でも何でもそうですが、知らない人に口出しされるのってイラっとしますからね。そして夫も「何だ、そこまで考えているなら俺の出る幕はないか」とさっと立ち去ってしまう。もし、同じ土俵に立とうと思うと、自分も赤子との生活を回すつもりで調べに調べて考えまくってMTGをしなければなりません。
そうなんです、分かってるんですよ。今、すでに我々は同じプロジェクトチームにいないってこと! 別チームの人間とランチに行って「最近どうよ」「いや〜、燃えてるね」「ディレクター回すの下手すぎでしょww」「いや、そうじゃなくて…」みたいな、噛み合わないけど表面上の会話を行うくらいのことしかできない状態に陥っているのです。
会社のプロジェクトであれば、いうて自分には関係ない話なので「大変そうだねぇ」と共感を示すだけで関係性に変化はないと思いますが、こと育児となると「二人の話、家族の話じゃねぇのか? あぁん?」と妻がヤクザ化してしまう。
プロジェクトチームだと思っている人と、そう思っていない人で構成されるプロジェクトチーム。もしこのチームに管理職がいるとしたら、そいつは全く仕事ができないと言っても良いでしょう。
この時点で、別に誰も悪くない。夫だって「赤子の準備? めんどくせぇ、勝手にやってくれよ」と思っている訳では断じてありません。ただ、この身に迫るタイムリミットがあるのかないのか、ただそれだけの違いで心のすれ違いが起こっているのです。
生活の仕方の変化
あれ、でもおかしいな。生活の仕方について考える、ということは男女ともに起こりうることなんだろうか、それとも縄文時代から続く人類の本能として、「生活の仕方」について考えるのは女性の方が圧倒的に長けているということがあるのだろうか。
ということで、夫に引っ越しや赤子の増加によって「生活の仕方」は変わると思う? と聞いてみました。引っ越しについては、これまで持っていたものを使うし、大人2人だし、大して変わらないだろうと思っていたし、結果大して変わらなかったとのこと。
赤子がやってきたら? という質問に対しては、家に帰ってからやることが増えるから、仕事を早く終わらせなければなぁと思っていると。どうしても仕事を中心に、仕事を終わらせる方法にフォーカスしてしまいがちだと言っていました。
ちなみに、早く帰ってきた後に何をすればいいのかは具体的に想像がつく? と尋ねたところ、「掃除とか、洗濯とか、ご飯とか、赤ちゃんのお世話とか…?」ということだったので、ふんわりとイメージはついているが、ふんわりにとどまっていることが分かりました。
ふむ。
これに対して、私が引っ越しの時に考えていたことは、直近の夫婦2人での生活時の間取りと必要物、人数が増えた時の配置転換、各空間の活用方法の変化などの大きな視点から、1日の導線と家事の導線全てでした。キッチンに物をしまうだけでも、ここでこの作業が発生するからこっちにあった方がいい……と事細かに決めてあります。(全てが完璧かと言われればそうではないけれど)
さらに、赤子の登場に関しては夫に担ってもらうべき業務を洗い出し、簡素化し、負担のない範囲で負担してもらうこと、赤子の世話についても一定の「これだけできればOK」を用意しておこうと考えていましたから、その差は歴然と言ってもいいのかもしれません。
いや、これは多分確実に、縄文時代から続く人類の本質的な能力差なのだと思う。男性は外で食料を集め、女性はコミュニティを運営し子を育てていた時代から、なんら変わらないのではないだろうか?
現代の男性は求められることが多い
現在、世の中は男性も育児を行って当然だという考え方に変わってきています。行動はまだ伴いきっていないけれど、考え方は確実に変化しています。
多くの女性は言います。「自分の子供なんだから、男性だって本来はやって当然」と。
でも、私はそうではないと思います。本来、男性には育児なんてできなかった。なぜなら必要のない業務だったからです。食料を集めてきさえすればよかった。女性よりも筋肉量が多く、丈夫な体を活かしてみんなの食料を集めていればよかった。
そこから、頑丈な体と上下関係の中でとにかくお金さえ稼いでくればよかっただけの時代を超えて変化したのが、「女性がコミュニティで子育てすればいい」状態が消え去ってしまったことです。
これまで(私は根本的な考え方をする時いつも縄文時代を思うけれど)女性:赤子=5:3 とかで運営していた子育てコミュニティ。乳が出なければ他の女性の乳を借りる。縄文時代は出産後は3年くらい授乳していたらしいので、それも可能な環境だったんじゃないかと思います。ちなみに、縄文時代ではないですが2世代前くらいまでは近所の人から乳をもらう、なんてこともあったらしいので、コミュニティ子育てはまだ生きていたんだと思います。
でも、今は 女性:赤子=1:1 になってしまいました。乳が出なければミルク、など代替品はもちろんあるけれど、常に生命の危機に晒されているような弱々しい存在の赤子の責任を負う人間が、たった一人!!!!
そりゃ、成り立ちません。交代で休むということもできません。代わりの人間がいないのだから。だから、配偶者、パートナーも同じ気持ちで育児に立ち向かうことが必要になったのです。
でも、大変だと思う。今の世代の人たちは「当たり前に子育てをすること」を求められているけれど、「当たり前に子育てをしていたサンプル」がほとんどいない。上の世代は「男は働いて金を稼ぐことだ」といまだに豪語するし、柔軟な対応もできないカチコチ岩のまま。周囲の男性に育児の話を聞いたところで、育児の実態を女性ほどリアルに知っている人もいない。
女性も、子供を産んで社会復帰もして楽しく働けてるみたいなサンプルはほぼいない。バッチバチで、そんな生活無理でしょ!? と思うようなスーパーウーマン(なお、仕事もできて高収入なので外部サービスも使える)くらいしかいなくて、凡人には参考になりません。
男女ともに、新卒の会社がそうだったら絶対ブラックと言われる「自分で考えて自分で調べて動け!!! 指示を待つな!!! だが確認せずに動くな!!」という理不尽に追い込まれているのです。
しかし、育児において女性は「やらなければ、子の死」という恐ろしい現実が待ち受けているのに対し、男性は育児をやらなかったからといって上司との面談があるわけでも、人事評価や昇給昇格減給降格といった目に見える結果が現れるわけではなく、そこに残るのは「不機嫌な妻」という分かりづらさ。
どうしろっていうんだよ! と叫びたくなる気持ちもよく分かります。そして、そこから目を背けてより家に寄り付かなくなり、妻や子供との距離がさらに開いていく……というところまでがセットですね。
夫をそんな目に合わせないために、黙ってても知識量が豊富になってしまう妻が研修を施すこと、そして夫がその研修を素直に、能動的に受け入れて成長していくこと。ピュアな新卒関係が築ければ、きっと家族で育児もスムーズに進むはず……。
まとめ
忘れないで欲しいのは、妻だって何もかも初めてでめちゃくちゃに戸惑っていること。なぜか「女の人には育児能力が標準プログラムされていて、産んだ瞬間に自動でアップデートされる」と思われていますが、知らないことが山ほどあるから、経験者から話を聞いたり本で調べたり、ネットで検索したり、それはもう暇もなくずっとそういうことを考えています。
育児について勉強している期間、時間が圧倒的に長いから、始まった時にちょっとスムーズであるように見える、ただそれだけ。
そして、夫と不仲になりたいだなんて全く思ってない。でも、育児を通して夫との関係が変わるだとか、崩壊するだとか、しねって思うようになるとか、殺意抱くとか、そういう話も山ほど聞いていて、そうならないようになんとかしたいと思っている。
社会復帰だって、時短社員は迷惑扱いだとか、ママ社員はすぐ休むからとか色々言われていることもよく知っている。でも、それ、全部変えていかないと未来がないじゃん!
いろんな問題にぶち当たりながら、今、妊婦の友人の間での合言葉は「ぶっ壊す!」
夫と不仲になる未来を「ぶっ壊す!」
会社で働くのが難しい未来を「ぶっ壊す!」
在宅勤務だと保育園に預けられない現実を「ぶっ壊す!」
子供に優しくない未来のない日本を「ぶっ壊す!」
(政治のスローガンみたい)
欲しい未来は自分で手に入れる! そして、その未来を子供に繋いでいくのが我らの任務だ! と、ポコポコの胎動とともにいつも思っています。
We are Warrior!!!
I know that there's a place for us for we are glorious!!!!