ある日、お風呂に入っているとシャンプーのボトルからシャンプーが出てこない。
あなたの家では、どうやってシャンプーを詰め替えていますか?
シャンプー詰め替えを例に、家事への参画レベルと家事についての考察を述べます。
シャンプー詰め替えレベル
レベル0
「お~い、シャンプーがないよー。」
ただ現状を報告するだけで、相手が行動をすることに期待しています。家事レベルは0。シャンプーがなくなっているという現状に対する対策について、一切の思考が行えていないことが伺えます。相手に甘えきり頼り切っているため、配偶者というよりは、ペット。
レベル0
「シャンプー空だから入れといてー。」
自分が困っていることに対して、自分の手で対策を打つことができていません。替えのシャンプーを詰めるだけであれば簡単な作業であるにも関わらず、その作業にすら行動を起こそうとしないことから、その他の家事レベルも低いことが伺えます。
レベル1
「シャンプーの替え、どこ?」
シャンプーがなくなっていることに対し、詰め替え用をもって対応をしようとする姿勢はあるのですが、ストックの場所を把握していないところに問題あり。
この時、替えの用意がなかったとして「なんで買ってないんだよ」などの一言を添えると一気に夫婦の仲は悪くなります。
レベル1
「シャンプー詰め替えたよ。」
シャンプーを詰め替えることには成功しましたが、そのためにストックが切れたことに言及できていません。次にシャンプーが切れた時にはストックがない状態になるため「なんで買ってないんだよ。」「詰め替える時に教えてくれないと分からないよ。」戦争が勃発する危険性が高くなります。
家庭内業務も仕事と同じ、先読み先読みで、相手が楽になるように行動することが基本です。「働く」というのは「側(はた)を楽(らく)にする」ってことですから。
シャンプーの詰め替え時には注意することがあります。もしシャンプーの種類が変わる時にはディスペンサーを綺麗に洗い、完全に乾かしてから詰め替えること! これができていないと水や古いシャンプーが混ざってシャンプーの品質が下がる上に、喧嘩にもなって何一つとしていいことがありません。
レベル2
「シャンプーなくなりそうだったから買ってきたよ。」
惜しい!!! シャンプーがなくなりそう→買ってくるの行動力には素晴らしいものがありますが、詰替えのストックの存在に気づいていません。つまり、その他の洗剤に対しても「ストック置き場」があることにも気づいていない可能性が高いのです。
また、これも報告のみで相手の行動に頼る部分があり、詰め替えるという作業を放棄している可能性もあります。シャンプーは、詰め替えるのが地味に面倒くさいのです。そこができるようになれば完璧。
また、「まだストックあったのに…」と言われた時に「なんだよ! せっかく買ってきたのに!」と言わずに「そうなんだ、ごめん。ストックはどこにあるの?」と質問し、ストックの場所を覚えられれば次はバッチリです。
夫婦の会話には落ち着きが必要。喧嘩腰になるのはよくありません。誰も非難しようだなんて思っていないのですから。
レベル3
「シャンプー詰め替えたからストック買ってこようと思うんだけど、同じのでいい?」
シャンプーが空になっていることから自分で詰替作業まで行い、ストック置き場の存在も認識した上で次に購入する商品についても確認を取っています。ここまでやれば双方の認識の齟齬なしに、円滑なシャンプーライフがおくれるはず!
もし、シャンプーの種類が変わる時にはディスペンサーを綺麗に洗って1日乾かし、水滴のない状態で詰め替えないと品質に悪影響を及ぼす可能性があるため、面倒でもしっかり洗いましょう。これをやらないと「混ざっちゃうじゃん!!」「水が入ったままでいれちゃだめでしょ!」「うるさい!気にしすぎだ!」と喧嘩になること必至。
実際に、水が混ざったシャンプーは腐りやすくなります。お風呂場はただでさえ湿気が多いところなのできちんと乾かしてから詰め替えるというのは理にかなった行動です。無駄なこだわりと思わずに素直に実行しましょう。
「シャンプーなくなったから、入れ物洗って乾かしておくね。」
「(乾いた容器に詰め替え)」
「ストックって買っておく? 同じものでいい? 」
この3つの段階を双方が理解できる形で踏めば、シャンプーを詰め替えるというただそれだけの出来事から発生する争いを未然に防ぐことができるでしょう。
ただシャンプーを詰め替えるだけなのに、そんな小さなことで争いたくはないはず。なのに、お互いへの気遣いを忘れ甘えた関係になるとあとはズグズグと関係が悪くなってしまいます。そんなの嫌だよ。
シャンプーがなくなった時の思考回路
シャンプーがない。
たったこれだけの出来事なのに、その時頭によぎることはなんでしょうか。
バスバスバスバスッ
あー、シャンプーもうなくなったのか…詰替えあったっけ? 次のやつは種類が違うはず…じゃあこれ使い切ったら一回綺麗に洗って干さなくちゃ。まだ2日分くらいあるから明後日洗って、夜まで乾かしてお風呂に入る前に詰め替えておこう。
しっかり乾いているかな…? よし、これなら大丈夫。こぼれても大丈夫なようにお風呂場でやろう。げ、もう誰かお風呂に入ってる…足が濡れるじゃないか…。よし、詰替完了。
シャンプー詰め替えてだいぶたったな…なくなったときのためにストックを1つ買って帰るか…。
「シャンプーがない」は、これらの工程が完了するまでこの限られた脳みその容積の一部に刻み込まれます。「シャンプーがない」は、繰り返し起こること。「シャンプーがない」以外にもたくさんの出来事が、日常には溢れているのです。
家事に参加しないってどういうこと?
家事は「考える家事」と「やる家事」の2種類あって、考える方が断然大変。
- 料理
- 掃除
- 事務処理
家事を大まかに3つに分けて、さらに小分けにしていくと
●料理
- 献立決め
- 買い物
- 調理
- 配膳
- 片付け
- ゴミ捨て
●掃除
- お風呂(水アカ取り、浴槽、床、小物周り、排水溝)
- 洗面所(鏡、洗面台、タオル、小物周り)
- キッチン(ガスコンロ、作業台、シンク、排水溝、換気扇、食材ストック、冷蔵庫、電子レンジ…)
- トイレ(便器、床、洗面、トイレットペーパー、タオル)
- リビング(掃除機、拭き掃除、ゴミ捨て、片付け)
- 寝室(布団干し、カバー洗濯、枕干し、掃除機、コロコロ)
●事務処理
- 郵送物処理
- 支払処理
- 家計管理
めちゃくちゃざっとあげただけでもこれくらいあり、これらを前回はいつやったのか汚れ具合をみて次はいつやるのか、できる時間や天気のタイミングはいつ来るのか…などなど、総合的に考える必要があります。
「今日は洗濯しよう!」
の一言が出て来るまでにめちゃくちゃ考えることがあります。その考える部分を、まずは2人で共有できて同じように思考できたらめちゃくちゃ楽だと思いませんか?
もちろん、それまでやっていなかった人からしたら「自分だけ負担が増えた」と思うかもしれませんが、それは「相手がそれまで負担を負ってくれていた」ということであり「相手を助けられた」と思えば嬉しいじゃないですか。
え、それとも、助けたくもないような相手と結婚したんですか?
モンハンなどの協力プレイゲームで想像して見てください。
クエストに出かけたパーティの1人が初心者で「回復薬ってどのマークですか」「どうやって使うんですか?」「罠? どこにあるやつですか」って終始チャットで質問してきたら、狩りどころじゃないでしょ!?
指示を出さないと木ノ実とったり魚釣ったりしてばっかりで全然ターゲットを倒しにいかず「や、だってやり方わかんないし」「教えてもらわないとできるわけないじゃん、初心者なんだぞ?!」とか言ってくるプレイヤー相手だと狩りがしづらいでしょ!?
わかってないやつと仕事する、って本当に無駄に労力がかかっていいことがないんです。会社ならお金や評価のために仕事を覚えようとすると思いますが、家庭内業務となるとなぜか丸投げになる人も多い。家庭内業務は、その家に暮らしている人ならば全員参加の必須業務です。
業務を分かっている人には業務を分かっていない人を指導する必要があるし、業務が分かっていない人は率先して教えてもらい、理解する必要があります。
多くの家庭では、妻が考える家事を担い、夫にやる家事を指示している(そして、指示してもやってくれない・嫌々やる)ことが多いように思います。
これは、会社に置き換えると分かるのですが「考える家事=マネジメントをする側=上司」「やる家事=指示される側=部下」という立ち位置に、どうしてもなってしまいます。
おそらく、多くの男性は妻に部下扱いされるのにイライラしています。妻は妻で、使えない部下にイライラし、最終的に「解雇」します。家庭内業務を与えないという選択です。こうすると、夫は部下どころか会社のお荷物です。
これを解決する唯一の方法が、二人ともマネージャーになる方法です。得意分野で分けてそれぞれのマネージャーになってもいいと思います。妻は掃除部門、夫は料理部門みたいな感じで。
基本的な業務は二人ともできるが、専門性もある。お互いに「任せとけ!」ってものがあれば、プライドを持ち、頼り頼られ楽しく家庭内業務を行えるはずです。
まとめ
せっかくお互い好きだなーって思って結婚してるのに、お互いへの愚痴の多いこと多いこと!! Twitter見てると絶望しかありません。2人が心地よく、快適に、楽しく、幸せに暮らせる方法を模索する。ただそれだけのことさえできないなんて悲しい。
結婚は死ぬまで続くやり込み型ゲームですよ。楽しみましょうよ!
ちなみに、私はシャンプーを詰め替えるためにボトルを綺麗に洗って乾かしていたのに、ご飯を作りながら「しまった、洗濯するの忘れてた…あとシャンプーの詰め替えも…」ということに気づき、その後食事、片付けをしてお風呂に入るまでシャンプーのことをすっかり忘れてしまい、詰め替えができませんでした。今日はね、もう、絶対詰め替える。