こんにちは。うたこの夫です。
ヘンな模型を手に入れたので、しばらくこのネタを続けてみようと思います。
ヘンな模型で遊ぼう
ある仕事帰り。
どういうわけか急がしくもないのに疲れてしまった日。でも時間には余裕があるから久しぶりに秋葉原にでも行って模型を物色して気分転換しようと思い立ちました。
犬屋の餌箱ぽちのジャンク箱をあさっていると、妙な銀色の物体を発見しました。
わぁ、P型(寝台車)だぁ EF65じゃないぞ。
※P型とは、オリエント急行で有名な鉄道会社、ワゴン・リ社(略称:CIWL)が保有していた寝台車です。同社初のステンレス車として1950年代後半から使用されていました。一人用個室が20室もあるので、側面の窓がやたら多いのが特徴です。のちに改造の上ベルギーやオーストリアなどに転属して、近年まで活躍していました。
この手の中古模型店に外国型があること自体が珍しい。
ましてや餌箱ジャンク箱などとは。
速攻で救出して値段確認。
外国型Nは往々にして高価で、店頭では1両3000円で激安の世界です。
しかしこいつは驚きの
864円也
まず箱無し。そしてメーカー不明。一目見てわかるほどの古さ。
よい子の私「EP.4以前は守備範囲外。」
悪い子の私「お前こないだMU型買ってたろ。ウィーンでも青いの買ってたろ。」
悪い子の私「それらとつなげればEP.4-5の夜行列車の編成ができるぞ。」
よい子の私「P型とはいえ、ÖBB車でなければ購入の対象ではない!」
悪い子の私「864円という低価格で入手できることももうないだろう。」
よい子の私「それだけ安いなら、きっと何か相当のワケありだ!」
悪い子の私「そのワケありも、逆に言えば改造のしどころというわけだ。」
よい子の私「よせ! そんな時間はもうないはずだ!」
悪い子の私「イジらなくても、ブログのネタにできるでしょ?」
悪い子の私「お前、そういうの好きだろ?」
よい子の私「うん。だいすき」
全く細かく見ないまま、お会計。
車体チェック
帰宅後、さっそく箱から取り出して箱無しだ。
細かく。ブログのネタになりそうなところをチェック。
まずは個室側の側面。
うんうん、すでにいい感じにヤレている。
窓が大小2つずつの並びだから、間違いなくWLAB 30に改造する前の姿。
窓枠の厚みや塗装の具合から言って、相当年季入っている感じだな。
まあいい、オモチャとして十分な活躍が期待できそうだ。
屋根もうっすらハゲちゃって。必要に応じて再塗装だな。
窓上の青帯の部分に、CIWLの表記がない。ということは、この模型はCIWL時代のP型ではないというわけだ。じゃあどこの鉄道に移籍されたものなのか。調べるには表記を読むのが手っ取り早い。
が、車体中央下部にあるはずの国籍や形式などの各種表記が一切ない。
これじゃ所属不明だ。
窓の中には白い塗料が。
「VOITURE-LITS」の文字も、色の相性のせいかちょっとボケている。
ちなみに、フランス語で「寝台車」という意味。
窓ガラスのパーツが車体側に食い込んでいない。いったいどれだけ昔の製品だろう。
こんなに古そうな製品なのに、窓上の細かい文字はハッキリ読める。それだけ印刷技術が高いのだ。
「CARROZZA-LETTI」は、イタリア語で「寝台車」
反対側を見てみよう。
こちらは、通路側。大きな窓が並んでいます。
やはり文字の印刷はきれい。だけどこちらも窓枠の厚みが気になる。
「SLEEPING-CAR」は、ご存知の通り英語で「寝台車」
「SCHLAFWAGEN」はドイツ語で「寝台車」
どんだけ寝台車アピールしてんだよ!
って言いたくなるけど、これが欧州寝台車の良いところ。
いろんな国に行くから、いろんな国の言葉を書く。当たり前のことですね。
妻面を見てみましょう。
げぇ! 妻面のゴム(貫通幌に相当)がごっそり欠品だ!!
本来であれば、貫通扉を取り巻くようにゴムが貼られているのです。
どーりで妙にスッキリしてると思ったんだよな(嘘)
まあいいや。こんなものはプラ材を貼り付けて黒く塗ればそれっぽく見えるだろう。
足回り
アーノルドカプラーであることはいいのですが、
ボディマウントどころかNEM規格ですらない。
そしてこの台車。上下方向への遊びが大きく、ずいぶん沈み込むことがあります。
その結果、台車とボディが干渉し、カーブで脱線する危険が。対策としては例によって車高上げが有効そう。
う~ん、想像以上に古い商品をつかんだのかもしれないぞ。
そして床下にはメーカーや品番などの刻印がない。
もうこれでいよいよ分からない。
中間まとめ
どのメーカーがいつ作った、何の車両か。それすらわからないので、今後どうするかも考えることができません。
考えられる用途としては、
- 改造してÖBB編入後にする。窓の開削や表記印刷、塗装変更も話題にできそう。
- スーパーディテールを目指して手を加えまくる
ですが、まずはこの模型が何者かを知らなければ、何をすることもできません。
鉄道模型考古学的に考えて、貴重な品物だったら大変です。
↑そんな学問あるのか知らないけど。
ちなみにこの模型を識別するヒントとなりそうなものは……
- ヒント① 窓上に青帯(CIWLの表記無し)
- ヒント② 台車マウントのアーノルドカプラー
- ヒント③ 床下に刻印なし
分かる人、教えてください。
とりあえずしばらくは、どうやって楽しんでいこうかを考えることが当面の楽しみです。